インターネット上の流出画像も広告だとは・・・
テレビや雑誌では、広告と番組や記事そのものは一応分けられています。最近顕著ですが、番組と同じようにスタジオから番組を送信する雰囲気でそのままCMに入り、番組として意識させてCMとは気づかないようにアレンジしたり、雑誌等の記事においても(特に広告とからむと)客観的な記事であるのか、ペイドパブの延長であるのか微妙な内容であるものもあります。
その一方でインターネットはさらに複雑で、「バズ・マーケティング」の手法が取り入れられたことで、投稿記事、ブログの中に純粋な個人の”リコメンデーション(推薦)”と、いわゆる口コミを利用した”広告”が混在していて、明確な判別が不可能です。
そんな中で今朝「1週間で400万ビューを集めた「オフィスでキレて大暴れ映像」―実は映画の宣伝」という記事を見つけました。
「バズ・マーケテイング」の一つの形だと思いますが、投稿された流出監視映像が実は宣伝だったというものです。着眼点、新しいアプローチとしての実験的な意味合いは理解できますし、かなりの話題性もあったようで、”広告媒体”そのものの調査・研究を行っている人間としては興味深い内容です。
その一方で、インターネットの世界では、一見投稿された映像と見えるものでも、企業の宣伝と無関係と感じるものでも、その内容は吟味していかないといけない時代になりました。聞きたくないのに聞かされる、見たくないのに見させられる、といった旧世代の中心メディアであったテレビやラジオの時代から、見たいものを選択できるインターネットという現世代のメディアに移行したにも関わらず、結局は自らの意思で選択したものが実は見たくないものを別の形にアレンジしたものであるという皮肉のような環境がだんだんと浸透してきているようですね。
そのうち、投稿やWEBサイトにも、「これは広告です、スポンサーは■■です」といった、広告主表示が義務づけられるかもしれません。また、迷惑メールや有害サイトの情報と並列で、隠れた広告を排除するための仕組みができてくるのかもしれません。