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業務提携の罠

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事業戦略の中でも販売チャネルは頭の痛い部分です。自社で販売チャネルを開拓するか、他社との提携によって補うか、選択肢は様々ですが、IT業界では他業種の比較してアライアンス(販売提携)という形での販売提携に頼る例が多いようです。ITではソリューション(製品およびサービス)が細分化されていますし、個別のニーズに投入できる人材も限定されていますので、企業間の補完関係が成立しやすいためと思われます。

さて、その一方でどれだけの販売提携が、提携を結んだ両社に実りをもたらしているでしょうか?時間を見つけては調査していますが、中期的には確率的に15%に満たない業務提携、販売提携のみが引き続き機能している状況のようです。

業務提携・販売提携が上手く機能しない理由としては以下の点が考えられます。

  1. 業務補完・サービス補完の関係が一見成立しているように見えるが、実際に動かしてみると、補完関係が成立していない場合が多く見受けられます。そのため、両社の思惑が実現できず、提携にかける労力が形骸化していきます。
  2. 提携の片側が絶対的な力がある場合、両社の思惑がそれぞれ一方通行となります。特に大手と中小の場合、中小企業が一方的に営業力に関して依存するのと同時に、大手からは品揃えの強化のための便利な1ソリューションという関係になります。また、大手SWベンダと大手SIの場合であっても、大手SWベンダの力が強い場合には、そのソフトウェアの最大シェアブランドになりたいSIに対して、販売チャネルの取りこぼし防止として考えるSWベンダの間には意識の乖離があります。

アライアンスには、様々な意味合いがありますので、それ自体は否定しません。しかし、アライアンスの多くは締結することで、その役目を果たしてしまったように扱われている感があります。

もう一度業務提携先との関係をたな卸ししてみて、形骸化しているものの中でもっと意味のある提携の可能性が存在しないか、また取りこぼしている会社でも提携でビジネスを拡大する可能性がないか、などいろいろなことを検討してみる価値はあると思います。

また、中小企業では、大手ベンダと販売提携を結ぶことが非常に大きい成果につながると誤解されていますが、販売提携だけではビジネスの実績に結びつきません。実際に、大手企業の中で提携先の製品をきちんと営業展開できる組織力を持っている会社は少ないです。逆に販売提携契約が無くても、お客さまが必要なユニークな製品は大手も扱わざるを得ないという事実もあります。大手企業との提携に走るのではなく、もっと大手企業の営業とお話をすること、そしてエンドユーザとお話をすることを重視して、一つづつ実績を重ねることに注力すべきだと思います。

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