大物にはそれなりの哲学がある
本屋さんの店頭で目に付いた、ヤンキーズの松井秀喜選手の本、「不動心」を読んでみました。何気なくページをめくり始めましたが、ほんの1時間ほどで読み終わりました。
非常に平易な文書で書かれている上に、語りかけるような内容、というよりもいつものインタビューのような淡々とした調子の文章だったので、すんなりと読めるだけでなく、松井選手の考え方がよく解ります。
いつもは伝わってこない、トッププレイヤーならでの苦悩もありますし、同時に松井選手の行動哲学が明確に伝わってきます。世界最高レベルでプレーする選手が、自分のことを「さほど野球に突出しているわけではない」という評価をすることは、ご愛嬌として受け止めるとしても、松井選手が認める世界最高峰の選手達が如何に物事に打ち込んでいるか、向上心をもって物事に取り組んでいるかは、最高のパフォーマンスを維持するために舞台裏でどのような努力や研究がなされているかを垣間見ることが出来ます。
松井選手の哲学の一つとして、苦しい場面を常に前向きに捉える、運が悪い時、厳しい状況も自分を成長させるための機会と捉えることがあります。これは、スポーツだけでなく、どんな仕事でも見習うべきでしょう。上手くいかないと他人のせいにする、思い通りにならないとその物事への活動をやめてしまう、他人にあたる、だけでなく、下手をすると他人を傷つけてしまう、といった今の風潮に対して、古風ですがやはり幹になる哲学があることで大きく成長したのだなと感じます。
私が個人的に好きな言葉も紹介されていたので、ここで引用させていただきますと、
「心が変われば、行動が変わる
行動が変われば、習慣が変わる
習慣が変われば、人格が変わる
人格が変われば、人生が変わる」
という、星陵高校の山下監督の言葉です。まさに、この言葉通りに、成長し、大リーガーでも大物になった松井選手に、スポーツ以外でも見習うことは多いと思います。