バブル再来 超売手市場の新卒採用に思う
週刊ダイヤモンドの3月24日号の特別レポートに「バブル期を越える”超売り手市場”加熱する企業の新卒争奪戦」という記事が載っていました。バブル期に就職活動を行った自分としても複雑な気持ちですが、今回の新卒争奪戦は、バブル期からの学習を経た部分と、まだまだバブル期と同じ轍を踏んでいる部分があるようです。
前回のバブル期では、旅行や食事など物的なものだけで新卒者を囲い込む傾向が顕著でした。それに比較して、今回は会社の中味をしっかり見てもらうことに比重がかかっているようです。社員が学生の質問に答えていく、逆面接なるものも行われているようで、実際の仕事や会社の状態を細かく伝えていくことで、自社への就職の希望を高めていこうという動きもあるようです。
その一方で、やはり学習していない部分もあるようで、会場、配布物、はたまた椅子などの什器にお金を掛けて、学生の気を引こうとしている企業もあるようです。
しかし、根本の問題は、やはり新卒を補充していかないと会社が成立しづらい人事制度ではないでしょうか。ピラミッドを如何に維持していくかによって、会社の発展と存続を行う根本的な経営戦略が、他社に負けないように新卒を確保していくというずっと続いている循環を生んでいると思います。
これから少子化の時代を向かえ学校だけでなく、企業でも人員が減っていくことは明確です。その中で企業として、別の発展の形を作っていくことが必要ではないでしょうか。以前よりも中途採用が進んでいますし、転職に対する抵抗感も低く、中途の定着も進んでいるようです。そんな中で、新卒からの採用だけでなく、人材を適時に確保していくための人事戦略とともに、人材の確保だけに左右されない事業デザインや組織の工夫も必要なのではと思います。