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経験、仮想と想像力

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経験世界、つまり自らが見たり、聞いたり、手に取ったりできる世界は理解が容易です。しかし、その一方で人間が人間である重要な要素として、仮想世界を認識して、かつその仮想世界を可視化できることが上げられます。

*「見える化」という言葉がはやっていますが、ここではずっと以前から使用している言葉で可視化と言わせていただきます。

経験したことを記録するだけでなく、創造の産物である仮想世界を形にしていくこと、そしてまだ自ら経験していないことを経験世界から可視化された情報で取り込んでいくことによって、人間は想像力をさらに強くしていきます。

具体的なものとしては地図が上げられると思います。昔は、行ったことの無い(行くことのできなかった)地域であっても地図で表記していましたし、現在でも正確に測量されたものも含め経験世界の産物を使って、脳内に仮想の世界を生み出します。

その一方で、テレビなどで放映される映像もある意味で、個人から見た場合には仮想世界でしかないのですが、あたかも仮想が経験である誤解を生じていると思います。仮想と現実の区別が無くなることで、人間の想像力、自己投影能力は低下してきているのではと危惧します。その結果、人間が新しい文化や考えを生む創造力も低下しているのではと思います。

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