レビューは営業現場の鏡
最近では仕事上では、直接営業の方のお話を聞くことは少なくなりましたが、間接的に営業状況の確認や、一部営業の方の状況把握のために、俗にレビューと称されるものを行います。
IBM時代から、駆り出されてレビューを行う機会は大変多かったですが、営業現場の方とのレビューはいつも緊張感溢れる中で楽しくすごしています。
営業現場で発生している個別の事象から、営業の方が顧客の全体像や考えを推測していきます。それに対してレビューの側からは、「自社の見方で都合よく考えていないか」、「挙げられている理由が本当の理由であるのか」、「曖昧な部分や他に顧客に確認すべき情報はないか」、「他にできることはないのか」などなどいろいろなことを考えながら、指摘をすると同時に、営業の方と一緒に考えます。
同時に営業の方は、日ごろの現場から一度気持ちを離してみて、大局的な観点からお客様を見ることになります。
レビューする側としては、新しい顧客情報や、顧客のインサイトを知ることができ、営業にとっては新しい視点から顧客への接点を探ることができるとともに、レビュワーの知識を吸収できる。このレビューする側とレビューされる側両方への効果が営業現場のレビューの醍醐味だと思います。
最新号(2006年10月30日号)のプレジデントに「売れる営業の仕かけ40」という特集が載っていますが、その中で「脱・日報とノルマ改革」という章があります。”営業日報による管理を止めて、部下へのヒアリングで状況を把握することが、営業マネジャーの仕事である”という主張ですが、まさにそのとおりだと感じます。
日報主体のSFAツールの限界でもある現場の生の状況の把握、そして暗黙知やアイデアの相互交換によりさらなる営業アプローチの発見、そこにレビューの本質があるのではないのでしょうか。
営業マネジャーの方々の中には、「レビューをしている時間が無い」、「レビューであまり効果的に情報を把握できない」という方が多くいらっしゃいますが、ありきたりの営業会議の延長では何も生まれないと思います。レビューは、営業担当者を通じたお客さまとの接点。レビューする側も、それなりのスキルの向上が必要ですし、マネジャーとしての知力や能力が問われる場面でもあります。否定論から入らずに、まず一度レビューの方法を含め、徹底的に社内のレビューに関して見直してみてはいかがでしょうか。