コンサルタントはなぜ単価が高いのか
今日で創業満7年、8年目に突入しました。
30年やってきて、つくづく思いますが、コンサルタントの単価は、高いと思います(苦笑)。
月額300万円、あるいは時給2万円以上とか。自身もそんなプライシングでどうにかここまで30年やってきましたが、つくづく高いと思います。。
ですが、高い理由、つまりコンサルタントの存在意義を、定期的に考えたりもします。。
どんな業界もそうだと思うのですが、長年経過すれば、サービスは「コモディティ化」し、すなわちプライシングは下がっていきます。
小職業界も同じです。「コモディティ化」する理由は明確です。「真似できる人・企業が多くなる」から。
それまで誰も思いつかなかったことをやってのけることこそが、本来のコンサルティングサービスです。
でも、その提供事例を目の当りにしたら、それを真似できる人がそのうち必ず現れます。
そういう人達が増えていけば、「コモディティ化」するのは当然です。
だから、私達は、だからこそ「コモディティ化」しないよう、サービスの改良・醸成を目指します。
さらに上を行くサービスを目指すのです。だから、コンサルタントの単価が高いはずなのです。真似できないスキルや経験、プラス人柄があるから。。
だけど、
だんだんそうも言ってられなくなってきた気がします。コンサルタント業は基本、誰でも名乗ることができます。
志の低い、「上昇志向」がない人が多い業界になったら、おしまいです。
私達の存在はクライアント業界にとっては、いわゆる「Temp」(有期期間雇用)です。「Perm」(終身雇用)ではありません。ある一定期間に、高いスキルとか調達の難しい経験のある人が必要になったとき、その人財を「Perm」で採用することは、クライアント企業にとって、採用コストや、長期間その人にみあう仕事機会が提供できるかどうか、という点からリスクとなります。
だから、高い単価なのです。
調達が難しいからといっていくらでもいつまでも高いプライシングが許されるわけではありません。ですが、「どうにかこのタイミングまでに、こんなことができる人財が欲しい!」というDemandがあって、その調達プライシングがそれに見合って、そしてお取引が成就する世界です。
まだ「コモディティ化」されてない、高いスキルや豊富な経験を、依頼された現場に投下し、「Perm」な人財へのちのちKT(技能移転)を終えたらその現場から去る。そして現場に残された人達は、KTされたものを醸成して「Perm」集団の企業として自立していく、というサービスの繰り返しです。
そして、我々コンサルタントは、その現場とは異なるサービス提供機会を、同じお客様または新しいお客様から獲得して、ビジネスを繰り返していきます。
「長くいちゃいけないんだよ」
だけれど、
最近はコンサルティング業界も、一部が「コモディティ化」したメガ・企業になっているところもあるのではないでしょうか、なんて感じることも少なくなくなってきました。大きな仕事機会の場合は、開発もアウトソーシングもビジネスコンサルティングとあわせて提供することも必要となることがありえます。
それは全体的にアリですが、
「コモディティ化」してないサービスもちゃんと提供すべき業界だと思っています。その精神は全体的には失われつつあると危惧しています。
「確実にPJを成功させたいから、多少高い予算を投じてもコンサルティングファームに依頼して問題解決する」
このクライアント判断は正しいと思います。コンサルタントは所詮「Temp」ですから。
でもでも、
単価が高いことを忘れてはいけません。我々は、そのプライシングにふさわしい、パフォーマンスを出さなければならないのです。
・高い単価に見合うパフォーマンスを一生懸命創出すること
・そのために一生懸命勉強して、さらに新しいサービスの形へ改良・醸成に努めること
・そうでない同業界の人財を、ディスってても仕方ない、一生懸命指導や助言をしましょう
時代や世代がどう変わろうが、コンサルティング業界をしっかり守っていくために、今、シニアになった私達世代がやるべきことは1つです。
「Do the right thing」 ・・・正しいと思ったことをやろう
「Talk straight」 ・・・言いたいことは率直にぶつけよう
「First to right」 ・・・初めから正しい方向に仕事をしよう
「Educate or Advise」 ・・・教えるのか、あるいは助言をするかに徹しよう
「Dedicate and inspire」 ・・・顧客に尽くして、そして、気づきを与えてあげよう
もっといろいろポイントはあると思うけど、
経験的にぱっといえることくらいは、いつでも実践できるようになりたいものです。
目先の収益とか自身の業績にとらわれずに、当業界のすべきミッションを果たしましょう!
・・・よし、膿を出したぞ。今月今期から、心機一転、自戒もしっかりして、一生懸命頑張ろう(笑)!