コンサルタントはこれからも本当に必要なのか
数年前、あるクライアント先にて第3者評価の仕事をやっていました。
評価レポートは役員会議でプレゼンするのですが、会議室の準備が整うまで、早めに到着次第10~15分くらい、専用の待合室で待たされていました。
そこに、そのクライアント先の社長の訓示が書いてありました。
10か条の1番目は下記です。
「コンサルタントの言うことを信用するなかれ」
むむー、確かにその通り(笑)。でもなんでじゃあ俺呼ばれてるの??
コンサルティングサービスは、クライアントが自立して経営・業務ができていれば、本来必要のない職業にニアリーイコールだと思っています。大手に勤めていたときは口にできませんでしたが、今は時々営業の初っ端でクライアントに話します。
「本当に必要な時期に、必要な役割・目的のために、必要な稼働労力だけ、私達コンサルタントを使ってください。それが御社のためです。不要な使う必要ありませんし、そう思ったら私達は能動的に退場いたします。」
概観として、今コンサルタントマーケットはクライアントのデマンド量を超えてコンサルタントが存在すると思っています。そしてクライアントのデマンド量そのものも肥大化している危惧があります。
商売である以上、各コンサルタントの後ろには、家族を含め「生活」がかかっており、それを淘汰するつもりはないのですが、できうる限りの最適配置・合理的取引をするのも、「客観的目線を備えた」コンサルタントの務めだと考えています。
AIやRPAがなんとなく今流行っていますが、コンサルティングサービス業界にもその波が、コンサルタントのオンサイト・サービス機会を奪っていく時代が近いうちに来ることでしょう。各クライアントは「人間」「IT」を使い分けてコンサルティングサービスを利用する時代をそのうち受け入れていきます。
私は、約30年コンサルタント一筋、これからも一生は無理かも知れないけれど、「生涯現役」目指して、できるだけ長くコンサルティングサービスには関わっていきたいと思っています。
ですが、おそらく5年もすればコンサルティング業界の図式が上述したように変化していくように思っています。
5~10年で「人間」でない「ITコンサルタント」が世間を台頭していくかも知れません。
そんな変化にも負けないように、コンサルタント「人」は精進を継続しなければなりません。
今日、新しいクライアント先が誕生しました。7年越しの待望の案件獲得です。
「IT」に負けないではなく、「IT」も活用してコンサルティングサービスを、より高いクオリティで提供できるように、自身も精進しなければと、今日あらためて襟を正され、気持ちを引き締めた一日となりました。
私自身、コンサルティング業界は大好きだし、勤めていた会社と仲間も大好きです。
この業界がクライアント達に本当に必要とされる形に、良い意味で進化・変貌し、これからも続くことを願っています。
そして、そのために自身が当業界にできる貢献を今後は一層考えていきたいと思っています。