オルタナティブ・ブログ > トラパパ@TORAPAPA >

IT、特にコンサルに携わる方々を癒すメッセージを、ついでに趣味のダーツ話も交えて・・

社長の心得

»

28年働いてきて、6年ちょっと前に起業して経営者となり、弊社もどうにか赤字にならず運営もこなれてきて、、、この先自分は何を目標にしていくか、再整理をしています。

28年前に私が新入社員として某コンサル・ファームに就職したとき、コンサル業界の各社は「パートナーシップ」という、株式会社とは異なる形態で経営されていました。役員格の偉い人は「パートナー」と呼ばれ、単年度決算で出た黒字=利益を、パートナー同士で話し合って、総額と分担を決めて、いわゆる「総どり」することができたそうです。

新入社員、若手にとって、パートナーとは、それはそれは「偉い」存在でした(苦笑)。しかも当時は最短で12年度にパートナーに昇進できるパスが用意されてました。まさにUp or Out、成れる人はほんの一握りです。最短4年後で「マネジャー」という「管理職の末端」に昇進もできます。当時のパートナーからは、「(新人の)お前たちなんて単なるひよっこだ。マネジャーになって初めてパートナーになれる競争権利を獲得できる。そこまではただの末端労働者だ。人間扱いされたかったらまずマネジャーになれ。マネジャーにもなれない、パートナーを目指せないと思ったら、さっさと会社を去れ!」といつも言われて育ちました(泣)。

ふりかえると、新人から頑張って30代後半でパートナーに成れる可能性があって、たくさんの報酬ももらえる。夢は確かにありましたが、、、今ではパートナー=経営者ではないなとも感じています。

パートナーは経営会議ではメンバーの末端でしかなく、ヒラのパートナーは経営者というより「現場でたくさんのカネを稼いでくる責任者」だった気がします。私はパートナーに成れずに12年半で転職し、次では株式会社ファームの副社長までは運よく成れましたが、パートナーほどに報酬をもらうことまではかないませんでした。

もちろん一般的な企業の報酬レンジからしたら良い額をいただけましたが、あくまで比較論です。若いときに夢描いていたそれは破れ、でお違う形で目標の何割かの報酬を手にして、しかも結局パートナーには成れずに、気づいたら自分は本当に経営者になってました(笑)。

自分の会社を持って、少ないながらも社員を抱え、7年目になりましたが、どうにかやってこれたのは、前述の経験もふまえ「経営者の目標設定はこうあるべき」ということを、なんとなく具体的イメージはして運営してこれたからかも、、とは思います。

1.黒字が出せる会社であること

2.社員に約束した報酬を支払えること

3.顧客に約束したサービスが提供できていること

4.社員に夢(士気+覇気)を持たせることができること

5.経営者の器ある社員には経営者の道へ誘導し、適切な指導・助言を与えること

6.少しでも多くの雇用機会創出に努めること

7.社会貢献を意識した活動ができること

8.企業としての成長・発展を諦めないこと

9.コンティンジェンシープランがあること(自身が働けなくなった場合に社員にその後の人生をできるだけ保障してあげること)

10. 自分自身の成長に心がけること

これまでは特に最初の4つを注視してきましたが、最近は5番目を意識しています。

経営者は次世代の経営者(候補)を育成し、マーケットへ送り出してあげるべきなのです。

今日も関係者で経営作戦会議をしていました。

最近私は痛感するのですが、世の中に「コンサルタント」を名乗る人が多すぎると思っています。クライアント・サイドも、コンサルタントに頼りすぎで、自社自前でできないことを何でもコンサルタントへ発注して問題の早期解決を図ろうとし過ぎている気がします。

コンサルタント・マーケットは、Supplyサイドとしては量的に飽和していて、しかしながらコンサルタントとして求められる技能は全体的には追いついていません。なぜなら、クライアント・サイドからのDemandサイドの量が多いため、一定の技能があると過信(あえてこの表現を使います)し、コンサルタントを名乗って処世する人が増えたからです。

前述10か条の10番目は、経営者でなくともコンサルタント全員に求められる姿勢です。しかし、最近のコンサルタント・マーケットにおける各位の研鑽意識は総じて低いです。もちろん私自身も含め、何でもこなせる「オールラウンダー」はそうそういませんので、各コンサルタントは己の「取柄」あるいはその候補を見出し、そこを中心に研鑽・鍛錬することが大事です。加えて言えば、私自身も自分の取柄を正確に理解できていると思っていません。自分の価値はクライアントが判断するのです。自身がどれだけ自信をもっていたところで、クライアントに認められ、その価値創出でクライアントを感嘆させることができないのであれば、コンサルタントを名乗るべきではありません。

28年経った今も、その葛藤と戦っています。自身もまだまだ発展途上ですので、おこがましいことを言ってるのかも知れませんが、コンサルタントを極める道に進むのであれば、コンサルタントへのDemandを適正化し、Demandの量を減らしながら適切な量のコンサルタントにマーケットは縮小すべきと思っています。

そうでなければ、5年くらいで現在のコンサルタント・マーケットは、ブランド vs.. 価値が釣り合わずにマーケット自体は崩壊すると危惧しています。

コンサルタント業界とクライアント様達が一緒になって、マーケットの再構成・再構築を頑張っていける、これからの中期計画を考えていきたいなと思っています。

Comment(0)