技術力向上の前に組織力向上を
ITサービス系のクライアント先において、主たる相談の軸は2つで、
・技術力を向上したい
・組織力を向上したい
ということかなと。例えば私の場合、後者の方が得意領域で、時には「権力マネジメント」というコンテンツをコンサルティングサービスの軸にしてもいます。
企業の方針ですから、どちらもではなくどちらかをまず、ということで問題とは思いませんが、そもそもどちらかを先か、どちらも改革すべきか、外部から支援者として参画する私からすれば、私の見立てと、クライアント企業・組織が望むベクトルが、時に違う時があります。
ちなみに私は、どちらかと言えば、少なくとも組織力を重点的に現状評価して、現在の企業・組織の立ち位置や課題を知った上で、企業・組織の選択としてどちらかを先か、どちらも改革すべきか、決めてほしいと思っています。
クライアント企業はほぼほぼ大企業で、当然ながらたくさんのPower Gameが存在します。よってそれへの考慮のために、選択される改革のPRIORITYは、私が考える「どちらが先か両方か」とは異なることがままあります。そのGAPは当然私もプロとして、ふまえてBest Effortで支援サービス提供にいそしむこととなります。
技術力向上と違い、組織力向上の施策は、まだまだ方法論が確立していないと思っていて、よって達成成果の品質がわかりづらいとか、進捗把握が難しいので達成まで待てないみたいなもどかしさとか、確かにそちら重点は難しいのだろうなとは思うのですが、
でも、組織力不十分なまま技術力向上に期待するのも変な話で、目先の(技術力)向上が中長期的に企業の成長に寄与できるかというと、正直微妙で、経験的には難しいです。理想は両方やるべきです。
私、弊社のような、零細企業クラスですら、Power Gameは存在しますし、ましてや数百名、千名超の大企業では、それを意識して組織運営、企業経営をしていく必要があります。私のような第3者の活用は、1つの例示ではありますが、技術力向上を自社で頑張っていただくに並行して、第3者を活用して組織力向上をどうしていくか、を考えていただけたらな、と思っています。
働く一個人は必ずどこかの組織に帰属をします。その組織でいかに自身の立ち位置や貢献評価を組織に意識させ、尊重させるかが鍵です。そのために組織力向上について個々が考える姿勢や理論は、以前よりも低下・風化したなあと感じています。最近AIとかRPAが流行ってきていて、「人間」がやるべき仕事内容や職位職責の定義とか、「人間」じゃなくてもできることがどんどん具体的に定義され、そこが「人間」以外の稼働で成り立っていくような流れの中で、だからこそ「組織力」を磨き、人間の居場所をしっかり確保してほしいなあ、そのための検討や変革を頑張っていただきたい、と考える次第です。端的には、そこにコンサルティングサービスが不可欠なんて個人的には思っていません。
(一応コンサルティングサービス経営者なんですが^^;)