「遅い」んじゃなくて「要領が悪い」んだよね。
「優秀なコンサルタントと一緒に仕事して、いろいろ学びたいんです。」・・・と、最近、こちらが正直こっ恥ずかしい気持ちになるような志望動機を言われながら、恐縮すると同時に、応募いただいた当人の現時点能力を、僭越ながら順次プロファイリングしていきます。
基本的な技能について悩みを聞くと、結構な割合で言われるのが、
「ワタシ、仕事が遅いんです。」
もっと聞けば、出来るコンサルタントの人と違って、パッパッと素早く、かっこいいアウトプットが出せなくって。そんな風になりたいなあ、・・・と。
聞いている限り、「スピーディでない」という印象が強い。
まあ確かに、タイプが速い、ぱっとアイデアが浮かぶ、間違いや誤解が少ないので手戻りも少ない、・・・等々、それもそうなんですが、
もうひと捻りして考えると、
「効率が悪い」
という点に、実は重大な課題があることが多いのです。
私自身が出来るコンサルタントなんて、全然思ってはいませんが、
(すいません正直に言います。社会人最初の3年間を除いて・・・笑)
私が考える「出来るコンサルタント」って、「手際が良い」「効率が良い」人です。
たぶん、次のようなことをきちんと考慮できているのだと思います。
(繰り返しますが、私がこれらを完璧にできているなんて思っておりません^^;)
今日すべき仕事か、今すべきか、あるいは明日でもいい仕事か、「重要度の判断ができる」
重要度判断に基づき、処理する「仕事の優先順位をつける」
さらには「重要度を損ねない範囲で、手戻りが最小化できるよう」、優先順位をさらに工夫できる
口頭にしろメールにしろ、「人に指示・依頼するあるいは『報・連・相』仕事は溜めこまない」で、発生した・認識した時点でさっさと相手にメッセージしてしまう
仕事を完了するために必要な「準備も作業計画にきちんと織り込める」
納期・品質・予算の少なくともいずれかが約束を守れないことがわかった時点で『報・連・相』を徹底する習慣が身に付いている
基本動作も素早い(タイプが速い、正確に記憶する、できるだけ簡潔にメッセージする、等)、あるいは日々改善努力を怠らない
手戻り等、反省を教訓として活かし、日々手順の継続的効率化を怠らない
本当は私が採用面接時や仕事仲間の評価で使う判断指標を全部あげるともっともっと細かくあるにああるのですが、サマリーすると、基本はこんな感じです。
(無論、私自身、これらのカテゴリに基づいて、日々精進に心がけているつもりです)
悲しいかな私の定義で言う「速い」と「手際良い」のニュアンスがご理解いただけない人の場合、
現状に満足し効率化や守備範囲の拡張等「継続的改善」をしようとしない
あるいは、
自分の武器(取り柄)やその攻撃力に陶酔し、チームと連携せず個人プレーのみで成果を追う
結果、
せいぜい評価はマージナル(平凡)。あーもったいない(苦笑)・・・
誰でも最初は遅いんです。その作業、だんだん慣れて速くなる。
でも、工夫を怠らなければ、さらに効率があがり、その「最速の」作業、正確さも損なわない中で、別の作業の準備を頭の中で並行して思考したり、実際なんらかの作業を並行しながらできるようになったり、もちろん、各作業の順序も、より高い効率性での手際となり、たまにトラブってもごく少ない手戻りで済む。そして次第に、作業をコモディティ化(汎用化)して後進に引き継ぐ。自分は他のことに邁進する。
そうやって、次第にいろんな業務、職務に、順序よく手を染めていくのです。
1つ1つの作業の速さを極めるだけじゃなくて、さらに全体としての効率を究める。
確かに追求し続けることはつらいのですが、がんばりましょう。