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個人情報「過」保護が日本を破壊する【書評】

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痛快!・・・いや、よくぞここまでばっさり斬ってくださいました。私は一応経営コンサルタントを自称していますが、この法律に悩み苦しむ多くのお客様も、ここでこき下ろされた主張を読まれたら、さぞかしスッキリすると思います。ITメディアさんにもらった表題の本を読んだ感想です。

私も、個人情報漏洩の事件が拍車をかけて、情報保護法が制定され、施行され、という一連の流れに、非常に疑問や不満を感じていました。

この本はその理由もしっかり整理できる助けになるし、何より現在の当該法はダメ!ときっぱり言い切るそのスタンスが痛快。

災害時の問い合わせ、種々の会員名簿の廃止、営業マンPCThin Client化による業務効率悪化、本人同意の必要性に関する例外事由、・・・等々、わかりやすい、いろんな例示をふまえた上で、自分の考えに自信が持ててきた気がします。

確かに、プライバシー権は重要だと私も思います。ですが、個人情報保護法は明らかに「過保護」な範囲になっており、プライバシーに触れない範囲の「個人」情報まで、過保護に守ってしまいます。実は個人情報保護法に関連するコンサルティングサービスの依頼も年間2,3件来るようになったのですが、その悩みややりたいこと(ゴール)を伺うと、結構唖然とすることも多々。

弊社内でも1つ「!」という例がありました。

ある仲間の奥方が無事第一子をご出産されまして。

小生は有志を募ってお祝いを送りました。

後日、その人は内祝いをお返しするため、百貨店へ買い物に行くことにした。

行くにあたり、たくさん買うので荷物になるから、有志にそれぞれ買ったものを直接個別にご自宅まで配送するようにしよう、そう考えて百貨店に行く前日に、弊社人事部へ各自の住所を聞きに行きました。

人事のスタッフが回答。「住所は個人情報なので、当人達の明確な承諾がない限り、同じ会社の社員であっても、こちらから教えてあげるわけにはいかない。」

・・・おいおい、・・・なんだそりゃ!?

その仲間はしょうがないので、百貨店で買った十数個の内祝いを一生懸命抱えていったん自宅に持ち帰り、翌日弊社本社にそれを持って出社し人事部へ。「すいませんがこれをそれぞれ今から指定したい人達に郵送してください。送料は自分の次回給与から天引きしておいていただけますか?」

ありゃー。面倒くさい。っていうかかわいそう。

     ・・ご苦労様です・・・

別に人事部のスタッフは何も悪くはありません。悪いのは個人情報「過」保護法。

お客様先でもこんなことがありました。

ある金融サービス企業様。営業マンは本社に帰社して申込書やら契約書やら書類の作成。

個人情報「過」保護のため、セキュリティポリシーが制定されていて、オフィス内にはPCも携帯電話も持ち込めません。全部オフィススペース出入り口のロッカーに保管して、いわゆる「丸腰」になってからしか入退室できません。

その昔、この企業の営業さんは携帯電話に取引先の電話番号や住所を登録していて、それをみながら電話やFAXをしたりしていました(それはそれでビジネス効率としては問題ではあるのですが)。ですから携帯が持ち込めないだけでも不便。

また、本でも類似事例が登場しますが、外に持ち歩くPCは会社に持ち込めませんので、基本的に顧客情報を会社のデータベースとやりとりしてダウンロードすることもできない。

で、混乱を招いてかえって事務ミスが多発してしまったのです

この本は正直「ラジカル」ですが、このくらい強烈に改革を訴えることは非常にいいことだと思ったのでした。ご興味ある方は、是非!

ソフトバンク新書 シリーズ
個人情報「過」保護が日本を破壊する
http://shop.sbcr.jp/bm_detail.asp?sku=4797336919

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