効率的且つ効果的なタイムスケジュール術と『話3分の1』の法則
人間集中できるのは連続2時間が限界とか言いますが、普通7時間以上働くわけですから2時間じゃ足りませんし、集中が切れたから手抜きするわけにもいきません。
そもそも、ITサービス企業やコンサルティングファームにいる人はきっと共通していると思うのですが、とにかく時間に追われて仕事がいっぱいの毎日。
土日も時々潰れるし、残った時間は家族サービス、自分を癒す時間もなかなか作れません。
それでも、少しでも早く仕事を終わらせたい。
家に帰りたい。
早くお酒を飲みたい。
ダーツやりたい(これは私だけ?)。
品質面をさぼることはできませんが、どうにか効率を追求したくなります。
なかなかこれといった素晴らしい書籍等にも出会ったことがなく、小生それなりに自分流ですがいろいろ工夫してみましたところ、最近ちょっとわかってきたこともあるのでノウハウとして整理してみました。
読まれた方の今後の作業管理の工夫に少しでも役立てば幸いです。
今日やりたいタスクは全て書き出す
まずは、今日やりたいタスクを全て書き出してみます(ちなみに私はメールに書いて終わったら自分宛に送信するようにしています)。
最初は順不同でよくて、とにかく今日やりたい・終わらせたい・できるところまで進めておきたいことを、全て書き出してしまいます。
最初やってしまえば翌日からそれをUpdateすればいいので、まずはしっかりこれを紙やメールに吐き出してしまいましょう。
終わったら、絶対完了させたい・少しでも早く完了させたい物から優先順位をつけて並べ替えましょう。
そして、今日の目標を定めます。
人間目標通りには仕事がなかなか終わりません。
必ず残ります。
残ってしまうのだと割り切ることが必要です。
書き出したリストの途中に、ここまでが今日の限界=努力目標だなと思うところでいったん線を引きましょう。
『話3分の1』
次に、その線引きした今日の目標タスクリストの上から3分の1の量で、もう1つ線を引きましょう。
「『話3分の1』の法則」と私は勝手に呼んでいますが、人が努力目標で引いた到達ラインは何でも自然にかなりチャレンジングになっているものです。
経験からも、大体今日の目標ここまでできると言っておきながら、定めたことの半分も終わらず、後悔の念と己の能力の無さを嘆きながら帰路につくのが小生もかなりの頻度で発生しています。
そこで、さらに思い切って目標の3分の1でもう1つ線を引きましょう。
ここまでなら「頑張れば」できるはずです。
ここまで達成したらまずは自分を褒めてあげよう。
だから絶対ここまでは達成しようと、まずここで覚悟を決め気合を入れなおしましょう。
可能な達成ラインを設定し、さらにそれを上回ることでより満足感と達成感、そして持続力を高めます。
毎日一定の高いテンションをキープしながら仕事で成果を出さなければならない我々にとって、必要な姿勢でもあると、私は経験からそう思います。
仕事を2時間未満に区切ってタイムスケジュール化
どうせ2時間連続で集中するのは限界だから、もっと短い時間の単位で集中することに決め、タスクの実施スケジュールを引きます。
最初は目標1時間単位。
経験だけで目標を言わせていただくと、30分単位。
抽象的でもいいので、さっきリストしソートした各タスクの性質を考え、1時間、90分、30分、とにかく2時間未満の単位に、できれば細かくタスクを分解していきます。
全てのタスクで単位が均等である必要はありません。
30分の作業の次の作業は60分でもいいと思います。
とにかく2時間を確実に下回る単位に刻みましょう。
2時間以上ぶっとおしで会議、なんてこともありえるかと思いますし、自分ひとりでどうにもコントロールできない例外が多少はあるにしても、タスクが分解できるということはその作業の段取りが細かく見えているということのはずなので、とても良いことだと思います。
実際、なれてくると大抵の作業は30分か60分にタスク定義できるような気がします。
「5分」のインターバル
実際各タスクをこなしていくときは、タイムマネジメントの工夫として、必ず5分間のインターバルができるように、つまり5分早く終わるように意識しましょう。
つまり60分タスクの場合は、実際は55分で片付けるつもりで仕事していきます。
5分のバッファは、お手洗いにいったり飲食・喫煙、その他アドホックに誰かに話かけられたり携帯がなったり、等々の対応用にとっておきます。
本当に5分早く終われば、これらの対応も含め、集中していたさっきの仕事のストレスを、5分間だけですがテンションを緩めて結構リフレッシュできます。
そして次のタスクへ移ればいいだけです。
ですから言い換えれば、見積するときに最初から5分引いた時間でそのタスクができるかどうかを想像してタイムスケジュール化できると完璧なわけですが・・・まあ細かい減算なのでイメージは難しいですよね。
とにかく集中した時間の間に、5分のインターバルをはさめるように「集中して」頑張ってみるのです。
手を動かす作業と声を出す作業を交互に混ぜる
優先順位でタスクをリストしてもその内容によっては、単調で眠くなったりするリスクもあります。
可能であれば「手を動かす作業」と「声を出す作業」を交互に混ぜられるように、タスクの組み換えができれば工夫してみてください。
「ランチ後、○時頃がつい眠くなる」とか経験則のある人は、そこに「声を出す作業」をシフトするのもいいですね。
Overtime(残業)を終業後に整理して見積超過の割合を知ろう
しっかり意識はしてこのように仕事をしても、実際にはスケジュールをオーバーすることが起きたりしてしまいます。
オーバーしたら所詮自分の見積が甘かっただけのこと。
どれだけオーバーしたか。
いつからスケジュールオーバーになったか。
どの作業がオーバーしたか。
なんでオーバーしたんだろう?
一度だけきちんとふりかえり、それらを知ることにより、日々見積の精度はあがっていきます。
いわゆるルーティーンとして、就業時にこのようなタスクリストとタイムスケジュールを作る行いを日々継続することが大事です。
ところで見積精度があがっても「『話3分の1』の法則」は大体変わらない気がしています。
結局人間ってやりたいことを自分の能力以上に詰め込んでしまうようです。
作業効率が向上しても、小生の場合、スピードが1.5倍にあがったあとでふりかえってみたら書き出したタスクも当初の1.5倍量にリストしていて、結局『話3分の1』はいつまでも続いています・・・
最近、仕事が溜まる一方なので単位を20分刻みに挑戦しています。2週間目ですがかなり疲れが夕方になると必ず眠気として表れるようになってきており、どうやらこれが私の限界のようです。
ちなみに昔小生の優秀な担当秘書は、これを15分単位でプランし、大体をこなせていたような記憶があります。
思い出してみるとかなりすごかったということです。
・・・みんなが同じ基準に頑張る必要はないですが、刻むのはとにかく効果的だと思います。
また、きっとお気づきだと思いますが、このスケジューリング作業自体が、最初はちょっと骨おれます。
私の経験では、1ヶ月もやっていると大体慣れてきて、「5分のインターバル」の合計がこの準備作業時間をちゃんと埋めてくれています。
ちょっとやってみようかなという方は是非一度だまされてみてください(でも・・・だまされてやったがもし効果があがらなかった方がいた時に備え、あらかじめお詫びもしておいていいでしょうか・・・)。