kintoneで中小規模向け基幹システムを作る
10月28日にサイボウズ本社で開催された「kintoneで作る中小規模向け基幹システムセミナー」に参加しました。
サイボウズ「kintone」は、営業案件管理などのCRM/SFAの分野で多く使われています。これは業務改善がそのまま企業の売上アップにつながるということと、販売管理や在庫管理などのバックオフィス業務はすでに既存のシステムを持っているところが多いことが理由ではないかと思います。
株式会社アイティーフィットは、これまで多くの中小規模企業向けにkintoneを使った基幹システムを構築してきた経験があります。kintoneこそ基幹システムを構築する最適なプラットフォームだと考えています。
アイティーフィットの強みは、kintoneを使ってフルカスタマイズで販売管理や購買管理などのERP的な基幹システムを開発できることです。フルカスタマイズで対応できるのは、要件定義書を作らずkintoneの画面を見ながら打ち合わせして、仕様書やマニュアルに書くような内容はkintoneアプリ内の説明に入れてしまう独特の開発手法をとっているためです。
さらにもう1つの理由が、カスタマイズチップスと呼んでいる部品集を持っていることです。
kintoneは業務アプリを簡単に作れることが特長ですが、標準機能の範囲で業務アプリを本格的に作るには不足している機能がまだまだあります。
たとえば入力画面に「(自動車)メーカー」と「車種」の2つのフィールドがあるときに、「メーカー」のドロップダウンリストから「トヨタ」を選んで「車種」に移動したときは、「車種」のドロップダウンリストではトヨタ製の車のみが選択肢として表示されることが期待されますが、今のkintoneの標準機能では選択肢のリストは常に固定です。「メーカー」で選択された値に連動して「車種」の選択肢を動的に変えることができません。この機能は特別なものではなく、たとえばVantiveというCRMパッケージでは1980年代からダイナミックドロップダウンという名前で提供されていました。
アイティーフィットは過去のkintoneアプリ開発のノウハウをまとめたカスタマイズチップスが30以上あり、これを使うことでアプリをより効率的に開発することができます。
今回のセミナーの後半はタクトシステムズ株式会社の「TAKHUB(タクハブ)」の紹介でした。
TAKHUBはクラウドアプリ連携を実現するハブサーバーです。kintoneと外部のシステムを連携することができます。
たとえば、Twitterに投稿する内容を管理職がkintone上で承認したら自動的にTwitterに書き込む、kintoneとSalesforceのデータを双方向に連携する、kinotneとユビレジを連携するなどのシステム構築ができます。また、Oracle、MS SQL Server、DB2、PostgreSQL、MySQLなどのRDBと双方向のデータ連携ができます。
実際のシステム構築では既存のシステムとの連携が必要になることが多いです。このような場面でTAKHUBが適していると思います。TAKHUBの当日のプレゼン資料は こちらで公開 されています。
弊社もkintoneのサービスメニュー「キントネコ」があり、kintoneをいろいろなお客様にご提案しています。そのときに、現在のkintoneでもっとも不足していて必ず課題になる機能が、帳票印刷です。kintoneのデータを使って請求書などを印刷しようとすると、サードパーティーの有料の帳票アプリを使うか、VBAでプログラミングしてExcelに取り込むか、くらいしか方法がありません。
せめて請求書レベルの単純な帳票はkintoneの標準機能で出力できるようになっていただきたいところです。たとえばJ.D.Edward(現Oracle)のOneWorldというERPソフトウェアでは、2000年の時点でPDF形式の帳票を作成できる機能がありました。帳票機能はそれくらい普通に必要とされています。
kintoneにはまだ改善の余地がありますが、他にない面白いサービスです。kintoneとサードパーティーソリューションの今後のますますの発展に期待しています。
【告知】サイボウズ株式会社主催のセミナー&展示会「cybozu.com カンファレンス 2014」が東京と大阪で開催されます。詳細とお申込は cybozu.com カンファレンス 2014 のサイトからどうぞ。