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顧客サービスとITのおいしい関係を考える

世界を変えたければ、この雲に乗れ #kintone

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顧客のシステムを構築するSI(システムインテグレーター)会社のビジネスの将来が不安視されています。十年に一度レベルの大規模案件は今後もゼロになることはありませんが、2020年をピークに数が減ると予想されています。特に大手SI会社に技術者を提供していた中小以下のSI会社にとって厳しい状況になりそうです。

これまでのSI会社の仕事のスタイルは、要件定義から始まるシステム開発の各フェーズを期限内に進めていくことが基本になっていました。

SI会社のコストは人月単価がベースになっています。プロジェクトを予定通りに終わらせることができなければ、受注全体が赤字になりかねません。このため開発の各フェーズで顧客の確認を取って、できるだけ手戻りが発生しないようにと考えます。一方、システム開発に不慣れな顧客にとって、SI会社から求められる期間内に要件を漏れなく確定することは難しいのです。結局、システムが動くところまで開発が進んでしまった後で、あれこれと要望を出したくなるものです。

予定通りに一本道で進めて期限内に仕事を終わらせたいSI会社と、見たこともないシステムの詳細を紙の上で決めなければならない顧客のギャップは、以前からずっと続いている課題です。

私はここで発想を切り替えることで、このギャップを解消し、中小以下のSI会社が生き残る方向が見えてくるのではと考えています。

クラウドが普及したことで顧客企業にサーバーを売るビジネスは厳しくなったかもしれません。しかし、見方を変えれば、弱小SI会社であってもAmazon AWSやマイクロソフト Azureなどのサーバーを借りることで、少ない費用で顧客にシステムを提供できるようになったわけです。

これからはクラウドのプラットフォームの上に顧客のシステムを構築して、月額利用料金で顧客と細く長くお付き合いする形がよいのではと考えます。ここで重要なのは、開発を一時期に集中させるのではなく、まず小さく作って顧客に使ってもらい、さらに出てきた要望を定期的に反映しながらシステムを改善していくことです。

クラウド時代になったことを理解しても、いきなり素のAWSやAzureに手を出すのは難しいとお考えのSI会社は、アプリケーション開発のプラットフォームをクラウドで利用することを検討してみるのがよいでしょう。

サイボウズの「kintone(キントーン)」は、業務用のアプリを手軽に開発できるPaaSです。発表から3年を経て、機能が充実してきたことに加えて、kintoneの上でアプリケーションを開発して提供するサードパーティーが増えてきました。kintone経済圏と言うべきエコサイクルが確立されつつあります。

kintoneを使えば、中小のSI会社であってもサーバーの調達や運用の心配をすること無く、顧客に直接にサービスを提供することができます。大手SI会社の下請けから脱却したいSI会社に大きなビジネスチャンスになると考えます。

株式会社テクネコは弊社のパートナー様といっしょにkintoneにコミットすることに決めました。

写真は都内文京区某所の総本山で打ち合わせをした時のものです。頭につけているのは、西遊記の孫悟空が頭にはめている「輪っか」で、その名を『緊箍児(きんこじ)』と言います。このチームのkintoneへの堅い決意を表明するために、お揃いで作りました。

5人の中で1人だけ緊箍児を付けていないのは、kintoneにコミットしていないわけでなく、自分の緊箍児を総本山の社長に進呈してしまったからです。社長にたいへん気に入っていただけたそうです。

kintoneが日本発の世界を変えるプラットフォームになることを信じて、我々のチームはこれから天竺へ向けて長い旅を始めます。

kintoneの雲に乗り、新しい世界に行って、ビジネスを展開しませんか。

『最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるでもない。

唯一生き残るのは、変化できる者である』  ダーウィン

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