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紛争やチェルノブイリとは全く別の顔を持つ多数の天才的IT技術者を輩出したIT大国、ウクライナの真実の姿に迫る。

ポスト・コロナ時代の生き方と社会の変化、オフショア開発の展望 柴田裕史

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2020年は人類の歴史に永遠に刻まれる年となりました。コロナ禍のインパクトは直近では第二次世界大戦に匹敵するものと言っても過言ではないでしょう。それは新型コロナウイルスが全世界の人々に満遍なく影響を与えているからです。コロナ禍はもはや戦争と呼べるほどの規模になっていますが戦争が人類の進歩に貢献することは前回「ウクライナより 戦争は技術を進化させるか?」でも書きました。

ウクライナより 戦争は技術を進化させるか?

https://blogs.itmedia.co.jp/technationukraine/2019/04/post_1.html

今回は新型コロナウイルスで起きる技術革新、働き方改革、オフショア開発への影響そして人々の意識に生じるであろう地殻変動的変化について語りたいと思います。

リモートワーク

今やIT企業はもちろんのこと世界のほとんどの企業が従業員のリモートワーク、自宅勤務を推奨、実行しています。本日付のニュースでは米Twitter社が「無期限で」従業員のリモートワークを実施すると公表しました。ツイッターだけでなくウクライナへの積極投資でも知られる日本の孫泰蔵氏率いるMistletoe(ミスルトウ)社は2018年よりオフィスを廃止し、リモートワークを実践していることで知られています。

参照リンク:

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その他にも「WordPress.com」の運営会社・Automattic社などは設立当初から全世界の社員をリモートで雇用しておりその為のインフラも完全に整備されています。そもそもオフィスに行って働くという発想が従業員にないと言います。

筆者はリモートワークもオフィスワークも両方十分経験したので比較的双方のメリット・デメリットを理解しています。

オフィスを持たないことによるメリットは以下のようなものが挙げられます。

1:オフィス賃料の削減(企業側のメリット)
2:通勤手当の削減(同上)
3:無駄な残業などがなくなり、残業代の削減効果、生産性の向上(同上)
4:上司や他の従業員の目を気にしてオフィスに残る必要がなくなる(社員側のメリット)
5:通勤時間がなくなり時間を有効活用できる(同上)
6:飲みニケーションなどといった社員同士の無駄なストレスが無くなる(同上)、自殺率の低下(今朝見た記事)、企業内イジメの撲滅(同上)

一方デメリットとして以下が挙げられます。

1:まだネットやアプリなどの技術的インフラが完全に追い付いていない
2:オフラインで直接会って生まれる偶発的ビジネスチャンスが起こりにくい
3:企業は社員が何をしているか目が行き届きにくい。従業員としてはセルフマネジメントがより求められる。
4:社員は家に適切なワークスペースがなかったり家族などに仕事の邪魔をされる可能性もある

個人的にはオフィスワークからリモートワークへの移行は不可逆でこれからどんどん進むと思っています。上記のデメリットはテクノロジーによって解決できることばかりです。具体的にはこれからリモートワークはオキュラスのヘッドセットやスマートグラスなどを使ったVRの仮想現実空間に移行していくのではないでしょうか?社員のマネジメントにしてもすでにある技術で従業員全ての作業画面をリアルタイムで表示するマネジャー用の管理ソフトなどを既に使っているIT企業も多いです。社員側もより広く快適なホームオフィス環境を整える方向に向かうことでしょう。

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社会へのインパクト

リモートワークの普及は社会にまさに恐竜絶滅時の隕石のようなディープインパクトを残すことでしょう。具体的なインパクトについて考察すると主に以下のような大きな変化が起きることが予想されます。

1:都心から郊外、田舎、海外への人の移動。都心の不動産、ビジネスは値崩れ、衰退。
2:オンライン企業の更なる市場席巻(Amazon、楽天など)
3:ホームオフィス関連サービスが流行る
4:リモートワーク関連の技術革新。5GやVRカンフェレンスコールのシステムなど
5:オフショア開発は「オフショア開発」とさえ呼ばれなくなりごく当たり前の開発手法になる

筆者は主にオフショア開発を生業にしている為、上記の5番目の変化には非常に注目しています。日本企業は今まで言語、時差、物理的・心理的距離、文化などでオフショア開発を敬遠してきたきらいがありますがリモートワークが主流になっていくこれからの時代ごく当たり前の様に海外へシステム開発を発注するように変化していくと思われます。既にIT業界ではオンラインでプロジェクトやリソース管理、コミュニケーション含む全てのことが出来るツールが広く普及しています。よってオフショア開発に踏み込むか否かはクライアントの「心理的バリア」だけの問題になります。日本人マネジャーは同じ狭いオフィスにずらりとエンジニアを並べ朝から晩まで缶詰でみんなで開発するのを好みますが、全く同じ、どころかより生産性の高いアウトプットがリモートワークで出来るということがコロナ禍で分った企業が多いのは正に怪我の功名と言えるかもしれません。

新型コロナウイルスによる人的、経済的、心理的被害は甚大ですがこの逆境を是非チャンスと捉え、絶滅した恐竜ではなく生き残り進化した哺乳類のようにしたたかに生き残っていきましょう。以上、ウクライナからのリポートでした!

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