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once a fanboy, always a fanboy ――いい歳なのに与太話はやめられない

マーケティングの妙

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 昔、マクドナルドには、「クォーターパウンダー」というメニューがあった。これは、ハンバーグの肉(マクドナルドではパティと呼んでいる)の量が1/4ポンド(約110グラム)で、通常の同店ハンバーガーに使われる肉の2.5倍に当たるらしい。残念ながら、このクォーターパウンダー、本国アメリカでは今でも普通にあるけれど、日本ではいつの間にか無くなってしまった。

 そして、その代わりと言っては変だけれど、今は「メガマック」という、食べ物と言うよりは、話のネタっぽいメニューがほぼレギュラー化していたりする。

 片や、本国アメリカでは、メガマックもあるのだけれど、新たに「Angus Third Pounders」というメニューが一部店舗でテスト販売されているらしい。

 写真を見る限り、ハンバーグのボリュームがすごい。当然、肉の量は1/3ポンド(約150グラム)ということになるはず。味のほうは、ガジェット紹介サイトBoing Boing Gadgetsの10月26日付けレビュー記事「Review: McDonald's Angus third-pounder sandwich」によると、ビッグマックやクォーターパウンダーよりも、肉に味わいがあるらしい。もっとも、いずれにしてもジャンクフードに変わりはないよという総評になっているけれど(笑)。

 こういう肉そのものを食べて味わうことにフォーカスを当てた商品が開発されるのは、やはりアメリカならではの食文化を反映したマーケティングに負うもの。

 逆に、日本でクォーターパウンダーが無くなってしまったのは、おそらくダブルバーガーなどのように薄い肉を複数重ねて量を増やせば、それで多くの顧客から不満が出なかったということなのだろう。少なくとも、ファーストフードにそれ以上の肉の味わいは求められなかった結果だと思われる。

 丁度偶然にも昨夜見たNHKスペシャル「日本アニメ vs ハリウッド」では、マーケティング的な観点から鉄腕アトムの顔をどうするかで揉めるシーンがあった。アメリカでは、自分よりも大人っぽい顔のキャラクターの方が子供から好まれるというデータがあり、また大人の視聴者にも成熟した顔が好まれるようだ。逆に日本では、アトムというキャラクターであれば当然のように幼い子供の顔が慣れ親しまれている訳で、そこにマーケティングの妙があるのだなと感心した。まぁ、個人的には老けた表情の鉄腕アトムはやはり気持ち悪いのだけれど……。

 ちなみに、クォーターパウンダーをネット検索してみたら、日本でも地方や店舗での限定という形で販売しているケースもあるらしい。機会があれば食べてみたいかも。

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