オルタナティブ・ブログ > 野石龍平の人事/ITコンサル徒然日記 >

人事領域(上流/elearing/ERP)コンサルでの人材開発/人事の一歩先の動向を考えます!

"修羅場・土壇場・正念場"を経験した人材を、組織はどう継承するのか

»

吉田麻也選手の追加招集は、非常に示唆に富んだマネジメントだと感じています。

吉田麻也選手の追加招集に関する記事

これは単なる戦力補強ではなく、「何を次世代へ継承するのか」という観点を含んだ意思決定に見えます。
前回のW杯で日本代表がクロアチアに敗れた際、岡田武史元監督は印象的な言葉を残していました。

「テレビカメラに映ったクロアチア人のギャングみたいな悪そうな顔と入れ墨した太い腕。日本のやつのすごいやつだなというスマートな姿が映った。あーっと思ったんだ。国として生き死を経験してる戦争を経験してきてる奴らと、平和ボケしてる日本とのこの差を埋めるのは少々では無く技術とか戦術で上回ってないと対等だと勝てないなと。」

この言葉は、単なる精神論ではなく、「修羅場を経験した組織が持つ強さ」について語っているように思います。

実は最近、あるクライアント企業の社長も非常に近いことをおっしゃっていました。
「人材育成で本当に大事なのは、修羅場・土壇場・正念場を経験させることだ」と。

DX、AI、人的資本経営、スキル可視化。

多くの企業が高度な仕組みや制度を整備しています。
しかし、本当に組織を支える人材は、難しい局面で意思決定をし、プレッシャーを受け、責任を背負った経験の中で育つ。
これはスポーツもビジネスも本質的には同じなのかもしれません。

日本代表はここ数年で、技術・戦術の両面において大きく進化しました。欧州トップリーグで活躍する選手も増え、組織としての完成度は過去最高水準に近づいていると感じます。

一方で、最後に問われるのは、極限状態でのプレッシャー耐性や、勝ち切るための集団としてのメンタリティなのではないでしょうか。
これはビジネス組織における人材マネジメントにも非常に近いテーマです。

人的資本経営という言葉が広がる今だからこそ、「スキル」だけでなく、「どのような修羅場を経験し、何を背負ってきた人材なのか」という視点も、改めて重要になっているのではないでしょうか。

クロアチア戦の悔しさを、次の世代へどう繋いでいくのか。
その挑戦が始まっているように感じます。W杯がとても楽しみです。

Comment(0)