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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

好きじゃないのに、大好きなんだと思われる。

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いきつけの美容院では、私の席には雑誌を3冊置いてくれます。

2冊が女性週刊誌(「女性〇〇」などですね)、もう1冊が「VERY」または「OZマガジン」です。

で、女性週刊誌よりは、「VERY」か「OZマガジン」のほうが好きなので、

「好きなものは後でゆっくり」作戦

として、いつも、「女性週刊誌」をざざっと斜め読みし、後半、VERYやOZマガジンをじっくり見る、という作戦を取っていました。

ところが、ある時、ふと気づきました。

やたらと「女性週刊誌」をたくさん持って来られるようになったのです。

ん?「VERY」は?「OZマガジン」は?と思うと、それは、別の方のところに行っていたりする。

あ、そういうことか!

私が、真っ先に手に取るのが「女性週刊誌」なものだから、


この客は、女性週刊誌が好きなのだろう。芸能人ネタや皇室ネタが好きなのだろう」

と思われてしまったのですね。(たぶん、カルテにもそう記載されているはず)

なので、美容院に行く回数を重ねるごとに、どんどん「はい、女性週刊誌!」とそれが最優先で持って来られることに。

そうかー、そういうことかー。



で、これで思い出したのが、ある人の経験です。

彼の勤務先では、1年に1回、「自分のキャリアプラン」を提出する制度があり、そのフォーマットの最後に「異動するならどこに行きたい?」を書く欄があったそうです。しかも、そこは空欄では提出できない仕組みになっていて。

ITエンジニアとして現場でバリバリ、そして、とても楽しく、充実して働いていた彼は、

エンジニアの俺から一番遠そうな、絶対に行くことはないだろう部署を書いておけば、異動させられないだろう

と考え、


人事部

と入力したそうです。

そして、年1回の更新時に「異動希望先」は、「前年と同じ」のまま、提出していた4-5年後のこと。

突然、辞令が。

人事部に異動を命ず

えーーーーーーーーーーーーーーーーー!?!?!?と思ったら、上司から面談で、

お前、毎年、毎年、"人事部"って書いていただろう。ちょうど欠員が出たから、希望を叶えてやろうと思って

と言われたといいます。

晴天の霹靂。「前年と同じ」としてクリックしていたので、「人事部」と書いていたことすらすっかり忘れていたそうです。



そういえば、俺、人事って書いたか。そうか。
そもそも、一番遠いと思って、「人事部」って書いたのに。

どーゆーことぉぉぉぉぉーーー。

衝撃を受けたものの、せっかくだから、行ってみようと、人事部に異動します。

それから数年、人事や人材開発の仕事がとても楽しく、興味を持ち、だんだんとこれこそが私の仕事、となったようです。

その後、彼は、その会社を退職、さらに人事系を極めるため人事系コンサルに転職します。


人生、何があるかわかりません。

「好きなわけじゃないのに、大好きなんだと思われる」ことから転機が訪れるケースもあるのですね。



「毎年、"人事部"って書いていただろう?そんなにやりたかったんだ。だったら夢をかなえてやる」って、

しかし、それが、実はとても自分に合っていて、とうとうそちらの道が専門になっていく。

キャリアの偶発性、こんな風に起こることもあるんですねぇ。


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