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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

「前に勉強したんだけど・・・ちょっと待ってくださいね」といって手帳をめくり・・・

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研修で出会う方たちの「学習意欲」が非常に高くなってきました。ここ数年。

もちろん、「受けたくて来ているわけじゃない」と反発する方もまだいらっしゃいますが、だいぶ減ってきました。企業も厳選して、「やる気ある人」を研修に送り込むようになったのかもしれませんし、お仕着せの研修が減り、「手挙げ式」が増えたからかもしれません。

先日、OJT担当者向けのフォローアップ研修を担当した時のこと。

1日で、「ここまでのOJTのよいこと、困っていることをふりかえり、明日からについてまた考える」といったワークショップでした。

参加人数がとても少なかったので、新人育成に限らず、幅広く脱線、拡張?しながら、進みました。

その中で、営業を育てているベテラン営業の方が、

「そういえば、前に別の研修で勉強したんだけど、・・・」といって手帳をめくりはじめました。

しばらく待つと、研修の資料が縮小コピーして貼ってあるのを見ながら話し始めました。「これ、前に勉強したんだけど、このプロセスを意識しながら、●●を進めていて・・・」と解説してくれました。このメモ、かなり使い込んだ感があるもの。

この方、私の研修でも朝からキーワードや気づきを手帳に書き込んでいらしたので、感心してみていたのですが、縮小コピーを貼っていた資料は、もう2年ほど前の研修で配られたものだったそうです。

「これは役立つ、使いたい」と思うものは貼り、気づいたことややろうと思うことは手帳に書き込み、それを電車の中とか、後輩指導の際とか、折に触れて確認しているというのです。

書いておかないと忘れてしまうし、すぐ見える、読めるところにおいておかないと、役立たないし・・・と。

すごいですー。

ここまで徹底的に振り返り、日常に活用していただけるなら、研修を担当したものとしてもやりがいを感じます。ありがたいことです。

学んだことは、使ってなんぼですが、それをいつも手に届くところにおいて、見直している、しかも、行動に活かしている。

とても刺激的なお話しでした。


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