ハンカチが大きくなり、バッグもまた大きくなった。
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いつの頃からか、お店でバッグを見ていると、店員さんがこう言うようになった。
「これ、A4入りますよ!」
「これ、A4入りますよ!」というのは、「働く女性」に対するメッセージの象徴のようなものだった。あれからたぶん、20年ちょっと経ち、最近、ふと気づく。
「これ、A4入りますよ!」といちいち言われなくなった。
どのバッグも基本的に大きくなり、A4が入るのは当たり前になったからというのが理由じゃないかと思う。もちろん、以前として小さいバッグは小さいバッグであるけれど、それは、別に書類を入れるために使うわけではないから。用途が違うから小さいものは小さいものでいいのだ。
似たように大きさが変化したものにハンカチがある。
女性用のハンカチといえば、「これで何を拭けというのか」と思うような、15㎝角くらいのものも多かった。代表的なものは、「スワトウ」のレースだろう。
あれ、手を拭くわけでもなく、きっと、「見せハンカチ」だったのだろうなぁ。
「これ、大きめに作ってありますよ」・・きっと20年くらい前はそう言わていたと思う。
女性のハンカチも、この20年間、どんどん、巨大化している。たぶん、今では30㎝角くらいのものも多々あるはず。私も男性用よりも大判のハンカチを何枚か持っている。
それに、ハンカチでは用が足りないので、タオルハンカチ(25㎝角、おしぼりサイズ)も毎日持ち歩いている。
戦後強くなったのは、靴下と女性だ。
均等法以降大きくなったのは、ハンカチとバッグである。
バッグ売り場で店員さんから「これ、A4入りますよ!」とわざわざ言われなくなったことがは、「女性が働くのはもはや当たり前になった」ことの一つの象徴なんじゃないか、と思ったりする。
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