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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

チャンスの神様は前髪しかないという。声がかかったら、チャレンジしてみるのは悪くない。

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昨日、なんだかわくわくする話を聞きました。

あるお客様先で研修を担当しています。参加者の中に2年目の方がお一人いらして、

「今度、初出張なんです。アメリカに」

とおっしゃる。

「お、そりゃスゴイ。お一人で?」
「いえ、3人で、ですが」

・・・7日間のアメリカ出張。ある技術についての勉強をするためだそうです。もちろん、ミーティングなんかもあるようです。英語ダメなんですが、通訳もつくので、とおっしゃいつつも、なんだか嬉しそう。

お話しを聞いていて、わくわくしたのは、「アメリカに行くことになった」いきさつです。

ある日上司から、”これ(米国出張の件)、行ってみる気、ある?”と問われたのだそうです。『え?英語できないし、それに2年目で技術力の面でも私が行っていいの?』と内心思いつつ、『上司が私に”行ってみる?”とおっしゃるからには、ここで”行きません”とか”嫌です”という理由は見当たらないし、上司としては私が”No”と言ったら、別に人を行かせるという程度の軽い問いかけだったのだと思うけど、声掛けていただいたので、あれこれ考えずに”はい、行きます”と返事しました、とのこと。

アメリカ出張に限らず、海外出張に腰が引けるケースというのは実はよく聞きます。いや、出張だけでなく、何か新しいこと、しかも、少しチャレンジャブルな仕事に「いえ、私には・・・・無理・・」「もう少し実力がついてから」などと遠慮するというか、躊躇するという例。

あるアラフィのマネージャさんがおっしゃっていました。

「30代の若手に、”アメリカでこういうイベントがあるんだけど、出張して、情報収集してこない?”と言うと、”いや、英語できないし”とか”○○さんが行ったほうが、英語わかるし、たくさん情報収集できますよ”とか”僕が行ってもお金もったいないし”とか、あれこれ理由付けて行きたがらない人が多いんだよね。だから、結局、ボクが行くことになる」
「そんなこといって、自分で行かずに、”いいから修行だと思って行ってきてー”と30代に行かせちゃえばいいじゃないですか。ご自分で行っちゃうから、また若手も育たないんですよー」
「ま、そりゃそーなんだけどね。でも、あまりに”行きたくない”と言われると面倒になって」
「それもわかります(笑)」

歳を重ねるほどに人間、臆病になるような気もするので(私はそうです)、この彼女が2年目にして、「はい、行きます」と元気に答えたのは、勇気がいることではあるけれど、絶対に自分の糧になる選択をしたと思うのです。

私は初の海外出張が27歳の時でしたが、本当に怖かった。英語もわかる自信ないし、飛行機は乗り継ぐ必要があったし、しかも、最初から最後までたったひとり。アメリカでは、アパートに滞在することになっていたし、車は運転しろ、それが条件だと言われたし。日本でだって、レンタカーを借りたことなんてないのに。

「はじめてのおつかい」(27歳編)みたいになりました。

行った先はBostonから車で30分?の郊外の都市でしたけれど、あれこれの仕事を終えて、Bostonを離れる日には槍のような雨が降り、フリーウェイで前方が見えなくなり、あと少しで空港という場所で車が90度スピンし、動かなくなったり、もう、今思い出しても、「27歳でよかった」と思うようなことがたくさんありました。(今だったら怖くてできないことばかりです。笑)

でも、その2週間の一人出張で、一皮むけたという実感を持てました。「なんとかなる」「なんとかなる」「なんとなかる」

27歳だからできたようにも思います。

20代前半での海外出張に挑戦するというのは、だから、勇気のいることではあるけれど、「行きます」と答えてよかったなあ、と思うのです。


チャンスの神様は前髪しかない、とも言います。その前髪をつかむかどうかは、ほかならぬ自分の選択なんですよね。上司が「アメリカ、行ってみるか?」と言ってくれた時、「Yes」というか「No」と言うか。「No」と言ったら、もう二度とチャンスは訪れないかも知れない。

件の彼女は9月に出発だそうです。ぜひぜひ楽しんできてくださいませ~、と、心で応援。

そして、もしかすると、彼女なら、「去年は3人だったけど、今年は一人で行って来られるよね」と涼しい顔で上司に言われ、「え゛ーーーっ!?」と思いつつも、「断る理由もないし」と来年、再び涼しい顔でアメリカにひょいっと行ってしまうような感じもします。頑張れ―。

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