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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

その気になれば何歳だって始められるし、変われる

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同僚に、豪快な女性がいます。

10年くらい前だったか、マンションを購入する際、「設計変更で、”台所は要らない”と言おうと思ったけど、一応、そのままにしておいた」というツワモノです。 料理って何? それ、食べるモノですか?というくらいに無関心。 「台所できちゃったんだけど、引き出しいっぱいあるし、何を入れておけばいいんだろう? 洋服とか?」などと素っ頓狂なことまで言っていたのを覚えています。

食事は外食(もちろん、アルコールつき)。自宅で摂る際も、とても多くのお友達に恵まれていて、誰かが食事を作ってくれる、あるいは、持ってきてくれるという奇特な人なのであります。

その彼女が、数年前、近所に住む親御さんのケアもすることになり、突然、料理を始めました。必要に迫られてです。

会社で出会う度に、報告を聞きます。

「昨日、お赤飯炊いちゃったよ」 ・・・(何、その大胆さ!)
「それが、うまくできてさ」・・・(ビギナーズラックか?)

「この間は、おはぎ、作ったんだ」・・・(どーして、そういう方面に挑戦するんだ」
「でも、とても上手だったから、あたし、天才かしら?」・・・(うん、かも知れない)

・・・というわけで、45歳も過ぎたあたりから、めきめき料理上手に。

包丁を持つことがほとんどなかった人が中年になって始めたのに、「お赤飯」「おはぎ」・・・。何それ?

しかし、スゴイことです。

その気になれば、何歳だって始められるし、人間、変わることができるのですねぇ。

年末、Xmas会に招かれたら、彼女のお手製の「切り干し大根の煮物」「カボチャの煮つけ」がどーんと。美味しいのです。料理の本を見て作っているわけでもないそうで。

「あたし、伊達にあちこちで呑んでないからさー、食べたら、どういう材料が入っているか、わかるのよ。だから、思い出しながら作ってみたら、たいていうまくいっちゃうのよね。」・・・・ううぅぅぅ、本当に天才かも知れません。

「もう40代だから無理」「45歳過ぎたし、変われない」などと言う声をよく聞きますが、そんなことないんですね。必要に迫られたら、その気になりさえすれば、誰だってきっとできるのです。

そういえば、むかーし、60歳で当社に転職してきた男性が、「母の介護のために、男の料理教室に通い始め、たいていのことができるようになった」と話していました。60歳の手習いで、母上に食事の支度ができるようなレベルになるとは。これも、その気になった結果ですよね。

料理の例が続きましたけれど、どの分野でも同じことなんだろうと思います。

成長というのは、一生涯続くし、「何歳だからもう変われない」なんてことないのですね。

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ところで、冒頭の同僚女性。 私の母や妹もちょっと知っていて、「料理するようになったんだって。それも、お赤飯とかおはぎとか。私だって作ったことないよ」と報告したら、我が妹がぽそり。

「それって、男の料理と一緒だよねー。いきなり大胆なものに挑戦する、という・・・。さすがだ!」と感嘆。

同僚に妹の言葉をそのまま伝えたところ、「そうだね」と即答していました。

豪放磊落。ステキな女性です。

(※この話、本人に断って書いています。笑)

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