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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

2つの「果たされない約束」:山本小鉄さん追悼ふたたび(ラジオ日本一周忌スペシャルに声出演して)

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10月から、週に2回(火曜・木曜と)大学に通っています。上智大学の社会人講座です。(1999年から通い始めていますが、通常は週1回、今季は頑張って週2コマをとりました)

毎週木曜日は小林教授がシリーズものでずっと続けてくださっている「企業と社会」のクラスです。このクラスでプロレスラー・山本小鉄さんとクラスメイトだったご縁で、先月、ラジオ日本の「山本小鉄一周忌スペシャル」番組に声出演をしました。
(番組名は、「真夜中のハーリー&レイス」。清野(きよの)茂樹さんがパーソナリティ)


「一周忌スペシャル」番組紹介のページ①
「一周忌スペシャル」番組紹介のページ②

9月初旬に小林教授の研究室にクラスメイトが集まり、ラジオニッポンのディレクタと放送作家の方が機材持参で取材に来られたのです。

番組は9月20日の深夜に放送されたので、聴いていなかったのですが、昨日、番組の放送作家I氏が上智の教室に現れ、90分の授業を一緒に聴いた後、私たちに「声で出演してくださってありがとうございます」とお菓子を下さったのでした。

何かの取材に応じて、後日、ご本人がお礼に見えて、さらにお菓子までお持ちになる、なんて、まったくの想定外だったので驚き、スゴイなあ、偉いなあ、と感心してしまいました。

構成作家の方曰く、この番組をずっと手がけているが、皆さんが参加してくださった回はとてもよい番組になったと自負しているとのこと。ネットで番組音声がすべてアップされていることを知り、ようやく今朝聴くことができました。

小鉄さんがいつも自慢していた一人娘の知英さんがスタジオゲストで登場し、父・山本小鉄を語り、その合間に私たちの取材テープが流れるものです。私はたくさん話したのですが、「女子会に参加したいとおっしゃっていた」という部分だけが採用されました(笑)。

番組前半の録音 (知英さんが語る父上・小鉄さん像:およそ31分)


この番組を聞いて、あらためて「ああ、小鉄さんは、本当にステキな男性だったなあ。もっと一緒に机並べて学びたかったなあ」としみじみ思いました。誰にでも丁寧に接し、プロレスの仕事には「プロとしての矜持」を貫き通し、一男性としては紳士で、やさしくて。たくさんの温かい言葉を私たちに贈ってくださった方。

プロレスファンの方もそうでない方も、古館さんとの掛け合いなら知っているという方も、お時間あれば、ぜひ、この番組の録音を聴いてみてください。

番組後半の録音 (私たち上智のクラスメイトが声出演しているパート。私も2秒ほど出てきます。およそ16分)


私が話した「女子会」は、結局実現しませんでした。女性のクラスメイトだけで飲みに行った席で、「もう1回この”女子会”を開催し、小鉄さんもお呼びしよう!」と盛り上がったことがありました。後日、「女子会に小鉄さんもいらっしゃいませんか?」と半分冗談でお誘いしたら、「おお、行くよ!オレ、そういうの好きだから、電話して!」とおっしゃってくださったのに、本当に電話していいのかな?なんて躊躇している内に、亡くなってしまったのです。

拙著『コミュニケーションのびっくり箱』に収めた追悼文に書いたのですが、勤務先にて講演をしていただくことも約束の一つでした。講演予定日がお通夜になってしまい、これも果たされない約束となりました。

私は、小鉄さんと2つの約束を交わしたまま、逢えなくなったのです。

このラジオ番組を聞きながら、そのことをまた深い哀しみと共に思い出しました。

現在はクラスメイトである小鉄さんの奥様に、「彼は淳子さんとの約束を果たしていないのでしょう?本当にごめんなさいね」と夕べも言われましたが、私は、この約束は、ずっと果たされないままでいいのだと思うようになりました。

「果たされない約束」を2つも持っていることで、私は、きっといつまでも小鉄さんのことを忘れないでしょう。

「小鉄さんを交えた”女子会”が実現していたら、どうなっていただろう?」「当社で講演していただいていたら、皆、どんな風にわくわくとお話しを拝聴しただろう?」と妄想するのも悪くないものです。

律儀で真面目な小鉄さんのこと、果たしていない約束が今でも気になっているのではないかと思いますが、大丈夫。交わした言葉と共に、思い出として、大切にとってありますから。

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