「お局様」は敬称か?
後輩男性の結婚披露宴に招かれた際、彼からよく聞いていたご母堂様とも初対面を果たした。
「このたびはおめでとうございます」と挨拶すると、ご母堂様は、満面の笑みで、こうおっしゃった。
「あぁ、息子がいつも”お局様、お局様”と呼んでいる田中さんですね。入社以来、息子がお世話になりまして。本日はありがとうございます。」
・・・・・・
『お、お、お局様!?』
そうか、彼は、私のことを、自宅でそう呼んでいたのか。
・・・なんてことを、昨年出版したエッセイ集に書いたのだが、今でも同僚の彼に、「お局様って言われたことをネタにした」と事後報告。
すると涼しい顔をして、「あ、うちの母親、敬称だと思ってますよ。ほら、春日局とかなんとかの局って言うでしょう?だから、女性の先輩に対する敬称だと信じてます」と返してきた。
考えてみれば、確かに、敬称だったのだろう。
似たようなものに、
●お前
●貴様
などもあるけれど、全部、今はあまりよろしくない表現に分類されている。
ドラマでよく、上司が部下を「お前には期待しているからな」と言ったり、夫が妻に「お前の作る飯は・・」と言ったりするのを聞き、「お前と言うな!」とTVに突っ込む私は、誰かに「お前」と呼ばれるのも、誰かがそう呼ばれているのも好きではない。
もともとは「相手を尊重した言葉」だったのだろうが、今はそうではなくなったという言葉たちって、案外たくさんあるのかも。
それにしても、そろそろ「お局様、というのは、敬称じゃない」と母上に教えて差し上げたほうがよいのではないだろうか?息子よ。
※今朝、Twitterで「お局様」についてやり取りがあったことで、この話を思い出し、あっつぃ夏にゆるゆるなエントリーをしてみました。
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もしかすると、このブログをお読みくださっている方に読者だった方がいらっしゃるかも知れませんが、2009年7月~2010年7月に日経BPモバイル「ケイタイ朝イチメール」というサービスで毎週、登録されたケイタイメールアドレスに配信していた連載をおまとめたものです。(連載は47回でしたが、ボーナスコンテンツ3篇を追加し、50篇のエッセイで構成されています。)