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ソフトウェア製品開発現場の視点

牛島先生にお会いして大学教育についてのお話を伺いました

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現在、九州産業大学の情報科学部長の牛島和夫教授は、以前は九州大学の情報工学科で教授をされており、私にとって最初のソフトウェアの講義は牛島先生から受けた。当時から、ソフトウェアの教育に力を入れておられて、まだ Fortran などの言語が主流であった時代に、構造化言語の Pascal を講義に取り入れるなど先進的な取り組みをされていた。さらに、大型計算機センターにあった NEC の ACOS で Pascal 処理系が動いていて、講義を履修している学生には ID が与えられていたため、PC がまだ普及していない時代においては、すばらしい環境が提供されていた。

現在、個人的に大きな問題と考えている、大学でのソフトウェア教育についてのお話を大学の方に伺いたいと思っていたところ、福岡にあるナレッジネットワークの社長でブロガーでもある森戸さんが牛島先生に連絡をしていただけるということになり、お会いすることができた。

まず、大学が現在の問題を認識しており、その問題を解決するために実施している、企業との連携について具体的な話をお聞きできたことは、私にとって大きな前進であった。情報処理学会の論文誌(第48巻第2号、平成19年2月発行)「双方向型産学連携実践教育」というタイトルで取り組みのひとつが記載されている。その内容は、大学から企業へは、企業技術者に対しての教育セミナーを提供し、企業から大学へはプロジェクトベースの実習を提供するという双方向の取り組みについてである。企業側のインターンシップ受け入れや、企業から派遣される講師による特別講義といった従来の取り組みよりも、もっと密接に企業と大学が結びつくことで質の高い教育を行えるということである。

九州産業大学の情報科学部は、2002年に開設された新しい学部で、牛島先生が当初から学部長という立場で、いろいろと新しい取り組みをされてきているようだが、その一つに「講義記録システム」がある。これは、講義室に設置されたカメラで講義を撮影してリアルタイムで配信したり、学生がいつでも見ることができるようにデータベース化しておくというものである。カメラは、情報科学部のすべての講義室に設置されていていつでも使うことができるということだ。実際に記録された画像を見えていただいたが、圧縮率の問題で、解像度は意図的に落としているそうだが、黒板に書かれた文字も十分に読むことができた。このシステムは、オペレータが不要で、講義をする人が一人ですべての操作をできるというところがすばらしい。

著作権の問題などがあるため、学外への公開ができないのが残念だといういうことだが、一部の大学では講義の公開を行っているケースもあるので、最初から公開を前提にすれば、そういった問題もクリアできるのではないかと思う。

IT というとネガティブなイメージを持つ傾向が強くなっているそうだが、教育から始めることで、コンピュータ系の学部/学科では、専門家としての知識を身につけ、企業に入ってからも他のメンバーをリードしていく立場にたてるようになってほしい。

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