IBM の cloud : LotusLive
先週フロリダ州オーランドのディズニーワールドで開かれた IBM のイベント "Lotusphere" で、IBM の cloud "LotusLive" が発表された。Lotusphere は、Lotus が IBM に買収される前から開かれている、プライベートイベントで、Lotus 関連製品が発表される。Lotus Notes が注目されていた頃は、数時間でチケットが売り切れるというほどの人気であったが、現在はそこまでの状況ではない。それでも、今でもディズニーワールドのホテル2つを借り切って5日間開催するというスタイルは変わっていないようだ。
今回は参加した訳ではないので、各種記事から得た情報になるが、今回最も重要なイベントは LotusLive の発表であった。Amazon, Google, Microsoft が cloud ビジネスに参入してきているが、ようやく IBM が出てきたという印象である。「ようやく」と書いたが、IBM はかなり早い段階から、コンセプトとして現在の cloud computing への流れを予想させる On Demand という言葉を使い始めていた。 On Demand という言葉自体には、cloud を含めた幅広い意味が含まれているが、cloud はインフラストラクチャーの部分における On Demand の最終型である。
LotusLive の特徴は、Lotus がすでに提供しているアプリケーションが提供されるか、近い将来に提供予定であるということである。価格などはまだ発表されていないが、基本的スタンスとして IBM が提供するプラットフォームの上で、IBM が提供するフルセットのアプリケーションを使うという形式での提供形態が中心となるであろう。IBM のプラットフォーム上でサードパーティがアプリケーションを提供するという形態は、当然考えていると思われるが、公開されている情報からは、そこに重点が置かれているようには見えない。
LotusLive による IBM の cloud への参入によってメジャーなプレイヤーがそろったという印象である。同じ cloud と言っても、提供形態、提供範囲など、多くの部分は各社の特徴を活かしたものになっているので、今後は利用の目的を明確にし、利点欠点を理解した上で cloud を正しく選択することが必要になってくるであろう。