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ソフトウェア製品開発現場の視点

冷房28度で競争力を落とす日本

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省エネルギーと地球温暖化の問題への対応として、オフィスの冷房を28度にしましょうという話を耳にすることが増えてきた。28度という数字の意味が理解できていなかったが、環境省のホームページに書かれているので、そのあたりがこの数字の根拠であろう。

インターネットで調べた限りでは、28度という数字の科学的根拠は出てこなかった。我慢をして省エネルギー、地球温暖化への対応(ついでにコスト削減)に貢献しているという姿勢は日本人的美徳かも知れないが、経験上28度のオフィスではとても生産的な仕事はできない(同様のブログ書き込みがたくさんある)。もし日本中のオフィスすべてが、28度という数字に無条件で従うことで、日本のホワイトカラーの生産性の低さにさらに拍車をかけて、日本の世界的競争力低下をさらに進めてしまうことを危惧している。

アジアの中で日本よりも暑い地域のシンガポール、香港などが経済成長を遂げたことに、冷房が大きく貢献していることは明らかである。そういった地域での冷房の温度は日本から行くと極端に低いと感じるが、冷房温度が高すぎで生産性を落としているようなオフィスに行ったことはない。外は暑いけれども、1年中オフィスの中では暑さを感じることもなく、生産性の高い仕事が行われているのである。

環境省の立場はあるが、それぞれの会社は、考えることなく数字を受け入れるのでなく、環境省の数字に従うことが会社の競争力を落としていくことにつながる可能性を認識した上で、オフィス温度を28度にすることを推奨し、その代償を払った結果、地球温暖化対応へ貢献しているという満足感を得ていることを認識するべきだと思う。また日本政府は、環境省のメッセージによって、日本の経済へ悪影響がでるリスクがあることを認識しておいて欲しいと思う。

日本と競争関係にある国では、よく冷房の効いたオフィスで生産性の高い仕事をしている。皆さんの会社の競争関係にある会社も、よく冷房の効いたオフィスで、生産性の高い仕事をしていることでしょう。たぶん

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