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ソフトウェア製品開発現場の視点

アメリカの夏時間が始まる

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昨年10月の私のブログで「夏時間が終わった」と書いたが、あっという間にあと1か月でアメリカの夏時間 (Daylight Saving Time = DST) が始まるという時期になってしまった。前に書いたように、今年からアメリカの DST のルールが変わって、3月の第2日曜の午前2時から11月の第1日曜の午前2時までが DST の適用となる。これまでよりも約1ヶ月間 DST の期間が延びるので、エネルギーの節約に効果があるということのようであるが、もし効果がなければまたもとのルールに戻るかもしれないという、ソフトウェアエンジニア泣かせの状況のようだ (DST については、このサイトに詳しく書かれている)。

新しいルールに対応すべく、Java や Windows などのプラットフォームはすでにパッチが出て対応されている。プラットフォームのライブラリを使っていればアプリケーション側は対応する必要はないはずだが、もし自前でルールを組み込んでいたとすると対応しなければならないだろう。

ソフトウェアの国際化の視点で DST ルールを見ると日本は非常に特殊な環境である。ユーザがすべて同じ Time Zone で生活しており、DST (夏時間) も存在しない。この環境でソフトウェアを作ると、あらかじめ十分に意識しておかなければ、時刻をわざわざ世界標準時 (DST) で扱うというような面倒なことはやらないであろう。こうして作られたソフトでは、画面の表示を翻訳したり、地域の文化に合わせたりするだけでは、最初から国際化を考えて設計されている世界の主要なソフトウエアに対して勝ち目はない。

海外でも製品を売っていこうとしているリアルコムにとっても、この部分は大きなチャレンジである。プラットフォームの国際化が進み、日本人だけでもある程度のレベルにはできるようになってきたが、世界で通用する製品を作っていくためには、さまざまな地域出身のエンジニアを集めた multi-cultural なチームにしていく必要がある。アメリカの子会社 Realcom Technology は、この役割も担っている。

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