岡山市の「ももちゃり」で考えたビジネスのこと
岡山市で先進のレンタサイクル「ももちゃり」を利用し、ビジネスについて思ったところを述べたいと思います。
■「ももちゃり」とは
ももちゃり(公式Webサイト、facebookページ)は岡山市コミュニティサイクルと銘打ったシステムで、交通系ICカードと携帯電話があれば利用できます。携帯電話は利用者登録に使うのですが、SMSが受信できればよいので、たぶんデータ通信専用SIMでも大丈夫だと思われます。
YouTube: 岡山市コミュニティサイクル「ももちゃり」本編PV
■サイクルポートは岡山市内17カ所に設置
ももちゃりの貸し出しと返却を行う「サイクルポート」は岡山市内17カ所にあります。実は、筆者は「ももちゃり」を知らなかったのですが、駅前でたまたま目にして、利用を決めました。
■嬉しい料金システム
筆者が利用したのは、60分以内に返却すれば1日に何回利用しても200円というコース。サイクルポートがたくさんあるので、移動のたびに返却すれば1回60分という制限はないに等しい感じです。
予定を組まず、行き当たりばったりで動き回る筆者には、自転車での移動ぴったりでした。
とは言え、高校時代に雨の日も雪の日も(!)5キロの道のりを通った健脚は遠い昔の話で、脚の筋肉に堪えました。少年少女はもちろん、ママチャリのお母さんたちにも軽々とぶっちぎられたのには少々ショックを受けました。
■ビジネスとしてのレンタサイクル
岡山市は自転車に向いているので、どこでも同様に展開できる訳ではありませんが、レンタサイクルをうまくビジネスとして成立させることはできるのではないかと思います。岡山市の好条件とは、比較的平坦な土地、広い道路、サイクルポートの確保というところです。
ももちゃりはサイクルポートが無人です。初期投資は結構かかりますが、ランニングコストはかなり抑えられるでしょう。サイクルポートは集客にもつながるので、観光スポットや商業施設に無償または安価に設置させてもらえれば、地代も抑えることができます。
■利用者向けにはまだ工夫の余地あり
利用に当たって筆者が戸惑った点がいくつかあります。今後の改善に役立てていただけるよう、まとめておきます。
まず困ったのが支払いに使う交通系カードの登録です。リーダーにかざしていたのですが、反応しませんでした。実は支払いに使うリーダーとは別に登録用のリーダーがあり、そのことはきちんと表示されていたのですが、1つしかないものと思い込んでいたため、しばらく悩んでしまいました。
次に困ったのが、貸し出しのときにカードを認識しなかったことです。実はこれも注意書きがあって、カードを重ねて使用することができないのでした。
最後が返却の方法でした。サイクルポートのスタンドにただ格納すればよいのですが、何らかの手順があるものと思い込んでいたのです。自転車の個体を識別していて、返却処理がなされるのだと思います。
利用の敷居は高い感じで、ままちゃりを活用している人は便利に使っているのでしょうが、最初のハードルを越えられない人も少なくないでしょう。
利用方法はすべて日本語ですし、外国の方が独力で利用するのはほぼ無理だと思います。もっとも、外国人観光客が利用できるようになると、ままちゃりの台数やサイクルポートの設置箇所の前提が変わってくるのだとは思いましたが。