TOEIC研修の実況中継! ~教材選びで「続かない」理由をモトから断つ
英語の教材をやってる時間は、どうも苦痛だとか退屈だとか思っていませんか? そんなあなたは、選んだ教材が自分に合っていないのかも。今回は、自分に合った教材を選ぶコツをお話ししたいと思います。
前回、「教材を用意すること」「教材以外に、ナマの英語にふれる機会をつくること」の2つを宿題にさせていただきました。みなさん、もう英語にふれる生活をスタートされましたか?
家の中から、途中までしかやっていない教材がいくつも出てきた人がいるかもしれません。それらが今使えるかどうかチェックしてみましょう。
■症状1 ハイレベルな英語にたくさんの解説がついている
国際ニュース、海外のメディア、時事英語などをベースにした本物感のある教材、意気込んで買ってみたけど全然続かなかった・・・ということはありませんか? ニュースや時事英語を題材に学ぶ場合、英語の語彙や文構造を学ぶ以前に、それらのニュースがいったい何について述べたものなのかというコンテクストから理解する必要があります。ニュースの背景にある国際情勢や政治・経済の知識がモノをいうのです。そこで、このタイプの教材には、たっぷり解説がついています。
このような教材が役に立つのは、現代の社会や地球規模の問題を「英語で」学んでみたいという目的で勉強するときです。実際、私が運営しているELCA東京では、環境問題やアジアの経済についてブロークンイングリッシュでいいからディベートしてみようというようなことをやっています。英語で話し合うためには、最低限のキーワードは英語で知っておかなければならない。そこで、日-英の対訳を見て、日本語で言いたいことが英語で何と書かれているか探すのです。
もし、あなたがこのように、世の中のことを「英語で」学んでみたいと思うなら、興味が持てるテーマをパラパラとつまみ食いしていくようにすると、その教材をモノにできるでしょう。ざっと見てあまり興味が持てる内容でなければ、TOEIC対策のためには他の教材を優先するのがよいと思います。
TOEIC対策にとって致命的なのは、このタイプの教材は、どうしても「解説」を読み込まないと理解が進まないことです。ともすると、英語より日本語解説を読んでいる時間のほうが長くなってしまい、英語を英語のまま理解する練習が不足するのです。
■症状2 練習問題抜きに模試から始めようとしてしまう
TOEICテストで効率よく点をとりたい、と思うあまり、「TOEIC何回分の模試を収録!」とか「TOEIC形式の問題を何百問収録!」「新傾向にズバリ対応の予想問題!」なんていう問題集を買い込んでしまった人もいるかもしれません。
このような、本番のTOEICテストそのままの模試問題は、実力の診断には適していますが、トレーニングをして得点力を上げるためには最善とは言えないと思います。
レベル別問題集の場合は、そのレベルで求められる語彙力に合わせ、出題語彙を絞ってあります。また、文法事項も、出題頻度が低い例外的な文法は除外し、よく出題される基本的なところから出題してあります。これらのトレーニング用の問題を、基本的には全部分かるように勉強し、繰り返し解いてみたら楽に正解できるようになった、という状態になれば、解けるはずの問題の取りこぼしが減るので、正解率がアップするのです。
これから問題集を買おうと思っている人は、教材の表紙のうたい文句だけ見て買うのではなくて、中身の問題をその場でパラパラとご覧になってください。辞書なしで読めそうだし、そんなに難しい単語は出てきてないな、この単語、見たことあるんだけど意味忘れちゃったな・・・、そんな感覚が持てる教材なら、今の実力からワンステップ上げるのに合っていそうです。
わかる、できる、という達成感が、教材を長続きさせるヤル気のもとになります。解説が少ない、一見あっさりした問題集でも、自分の実力に合っているのでスイスイ続くということもありますよ。