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定番表現から旬の話題まで、現役TOEIC講師がミニレッスン

ライブドア社長から学んだポジティブシンキング

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 私が研究員を務めているIT業界支援団体「Eビジネス研究所」に、先週5月25日に開催した研究会に待望の講師がいらっしゃいました。株式会社ライブドアホールディングスの代表取締役社長 平松 庚三氏です。当日集まったのは、研究所会員と口コミで集まった約60名。まるで塾のようにこじんまりとした会場で、PowerPointを使わず、ホワイトボードに板書しながら講演してくださった平松社長。お近くで、勢いがビンビン伝わってくる中でお話を聞けたことと、質問がたくさん出ていたにも関わらず、一切省略せず、丁寧に答えてくださったことが印象的でした。

 同研究所での私の担当は、毎回の講演録を執筆すること。この週末は、音声ファイルを聞きながら、書き起こしに没頭していました。テーマが、起業家とアントレプレナー予備軍に贈るメッセージでしたので、キャリアパスや会社を興すことを考えるうえで、実践的なアドバイスが満載でした。自分自身を「プロダクト」として考え、ストラテジックにプランを考えることが講義の中心。私自身、手帳の中に、3年後の自分の目標を書き込めるリフィルを入れているのですが、全部書き込めていないばかりか、お正月からアップデートしていないことにハッと気付きました。

 講演の中で印象的だったのが、あれほどの混乱を乗り切った平松社長のポジティブシンキングについてです。平松社長が、突然ライブドアの社長を引き継ぐことになり、大混乱の中で思い出したのが、ご出身のソニーで盛田さんから聞かれた「ネアカ主義」という言葉だったそうです。 リーダー、経営者の資質として最も大切なのはポジティブシンキング。もっと具体的に言えば、ネアカであること。自分ひとりの時は泣き叫んでいいけれど、人の前、特に部下の前では深刻な顔を見せないこと。どうしてもネアカになれないときは、ネアカのふりをするんです。ポジティブのスパイラルからは、いいアイデアが生まれ、いい潮流が生まれてくるとおっしゃっていました。

 1月24日に記者会見をされて社長に就任後、すぐ次の日の節分には、全社員に豆を配って大節分大会を会社でやったというエピソードなども話してくださいました。一番大変だったのは、社員と家族。辛さを忘れさせたいと思ったからだそうです。

 私も、行き詰まった気持ちのときでも、全てが順調のように振舞うことがよくあります。もちろん、プロジェクトの進行に遅延をきたしたりしたら素直に言います。そうでなくて、悩みがあるときほど殊更、言葉遣いを明るくするとか、現実を美化したりしていたわけです。そうやって振舞うたびに、自分を欺いているんじゃないか、現実から逃げてるんじゃないか、周りに意地を張ってるだけなんじゃないか、と言った後でものすごく、後悔することが多かったんです。何と言っても、「素直な心」に反しているんじゃないか、と。それが、今回の講演を聞いて、自分自身がだまされるくらい、明るいフリをするのがいいんだ、そうすれば、本当に本心から、ポジティブな力が沸いてくるんだ、ということを知ることができたのです。


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