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定番表現から旬の話題まで、現役TOEIC講師がミニレッスン

新米コンサルタントの勘違い!?

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こんな風に、専門家の皆さんに交じってブログを始めさせていただくことになりましたが、私は実は、教育コンサルタントとして転職してからまだ数ヶ月しか経っていないのです。初めましてのごあいさつとして、現在の仕事で大きな気付きを得たエピソードをご紹介したいと思います。

念願のコンサルタント部門に配属された私は、部署の中で営業経験が最も長いことがわかり、営業のリーダーに任命されました。先輩社員にOJTを頼まれ、同行営業。今までのOJT経験と同じく、クライアントへのヒアリングがもれなくできているかチェックし、商談の流れをリードしたり、次の行動の約束をとったり。商談後は確度の判断について一緒に振り返りを行い、問題・課題や商品ニーズの把握を確認するため、日報も書いてもらいました。

商談が順調にリードできたこともあり、私はすっかり、熱血OJTです。

「日報の日付から間違えるな~!」というところを、「営業にとって、アポの日程を書き間違えるということは、記録をとる習慣が抜けていたり、お客様との確認がしっかり取れていないなど、アポ取りに関する集中力が不足しているのかもしれません」などと、理解しやすく、行動の改善も促すよう心がけながら添削を返していきます。

そのうちに、他のメンバーからも文書の校正を頼まれるようになり、そのたびに私は、とにかく持っている知識や経験を100%アウトプットしようと長文の添削を返しました。みるみるうちに、チェック物は増えてオーバーフローし、1回の添削で直らない文書に、私の伝え方が悪いのだろうか、もっと基本的なところからフィードバックを返すべきだったかと苛々するようになりました。そんなとき。

「今見ている文書、別に書き直してもらわなくてもいいんじゃないかな。これを生かして、何を付け加えればもっとよくなるかを提案してみたら? 教える相手の考えや行動を否定していたら、研修の講師になれないよ」と。最初に営業のOJTを頼まれた先輩からの言葉でした。

そう、先輩は私に営業のOJTをさせることで、「人に教える」ということをトレーニングしてくれていたのです。私が、自分の教え方ではどうもうまく行かないと自分で気付くまで待って、ヒントを返してくれたのでした。OJTされていたのは、実は私のほうだったというわけ。

当社の研修は、ファシリテーションを特色としています。受講生が持っている考えや行動パターンを生かした上で、プラスアルファの知恵を提供し、協働して新しい成果をつくる。予想していなかった成果物ができたら、新しい発見として自らも学ぶ。それが講師の役割です。集合研修はもちろん、eラーニングでもLMSやメールを使ったファシリテーションを行っています。

このブログのタイトルを「スクール2.0」としたのは、そんなweb2.0的な学びの場を、読んでくださる皆さんと分かち合いながら作っていきたいと思ったからです。eラーニングの技術―動画配信とか、出題のさまざまな手法などの進化もめざましいですが、web2.0という概念が普及して、いよいよネット上でも協働型の学びが実現できるようになった、ということが、私がeラーニングという仕事により魅力を感じる源泉になっています。

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