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モバイルシフトとソーシャル化によって変化するネットの世界を、読者と一緒に探検するBlogです。

ピノキオを人間にしたのは妖精。サービスをブランドにするのはユーザー。

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ライブドア問題がどのような局面になるかは僕の知るところではない。

企業価値を株価に求めることはむなしく、ブランド価値こそ会社を救うと信じる。
スティーブ・ジョブズ復帰までのAppleは倒産や身売りの危機にあったが、それを乗り切ったのはひとえにMacユーザーがAppleというブランドを愛し続けてくれたからだ。Appleを支えたのは株主というよりは、ユーザーだ。ユーザーに愛されることこそ、全てだと思う。Appleには、儲かる商品を作るより、あっと驚く革新的な商品を作ってやろうという気概を感じるから好きだ。同じように感じる人が多いと思う。
Appleだけではない、例えばスターバックスが世界中のコーヒーファンに愛されているのは、スターバックスの経営者達がコーヒーを誰よりも愛していることを感じるからだ。そういう真摯な気持ちが、単純だが何よりも大事ことだと思う。

ピノキオを作ったジュゼッペ爺さんは、ピノキオが自分で動くようになるとは思ってもみなかったし、まさか人間の子供になるとは思いもよらなかった。ただ、自分の子供が欲しくて木人形を作っただけだし、ピノキオが(青い妖精の力で)命を与えられて、最後に人間の子供になれたとしても、それは最初から最後までピノキオを愛し続けたことに対するご褒美に過ぎない。ジュゼッペにとってみると、ピノキオが人形だろうが人間だろうが関係ないのだ。

新しいサービスや商品を生み出そうとする者にとってそれは、木の人形を作ることと同じだ。自分が欲しいと思うもの、あったら皆が喜ぶだろうと思うものを考える。そして作る。
僕たちにとって青い妖精とはユーザー一人一人だ。ジュゼッペがピノキオを愛していなかったら、妖精もピノキオを人間にはしてくれない。僕たちが自分たちのサービスを愛していなかったら、ユーザー側も愛してはくれない、と思う。

だから、仮に僕たちのサービスが「ひどすぎる」「使えない」と言われたとしても僕らは怒らない。なぜだろう、と考えて、ひたすら改良して気に入ってもらえるまで頑張るだけだ。だけど、僕たちが「自分のサービスを愛していない」と言われたら、泣き叫んで悔しがるだろう。

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