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あれこれ考えるよりも作ってしまった方が早いんじゃね?と思う、ギークなサラリーマンのアジャイルな日々。

「冬の冷たい海で叫んだ英雄の名言」を自分で推理して、ChatGPTには裏を取らせた話

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前回の記事で、アメリカ横断ウルトラクイズのエントリー審査問題「冬の冷たい海で叫んだ英雄の名言とはいったい何か」を、8つの生成AIに聞き比べました。

【お知らせ】本記事のうち、設問の推理と最終的な答えにあたる部分は、エントリー応募締め切り(8月23日)まで伏せています。自力で同じ答えに辿り着いてエントリーされた方から、「エントリー期間中に公開されると、その枠が他の人に奪われてしまう可能性が高い」というご意見をいただいたためです。ごもっともなので、締め切り後に全文を再公開します。どうしても今すぐ読みたいという方向けに、伏せた部分の全文はnoteに有料記事(300円)として置いてあります。

今回はその番外編。結論を先に言っておくと、この問題、AIには最後まで答えられません。答えを作れるのは人間の側だけですと言うお話。ちなみにこの結論はAIではなく、秋山大志本人が本人の頭で考えました。

自分で思いついた「野茂英雄」案が、崩れた

最初に思いついたのは、設問の「英雄」を人名の「ヒデオ」と読ませる線でした。野茂英雄。日本人の英雄で、海の向こう(メジャーリーグ)に渡った人物。筋は悪くない。悪くないんですよ。

で、その線でSolにまとめさせたら、「とにかく、腕を振るしかない!」という野茂の言葉を選んで、理由まできれいに整えて返してきました。アイデアは私、清書はSol。そのまま出せる形になっていたので、そのまま出しました。

この読み、番組の事前特番であっさり息の根を止められます。櫻井翔さんがこの問題を口頭で紹介したとき、「えいゆう」って読んでるんですよ。ヒデオと読ませる謎かけなら、司会が「えいゆう」と読み上げた時点で成立しません。はい、野茂案ここで終了。

しかもその特番、櫻井さんの映像に「知識を超えた推理力」というでかいテロップを掲げた上で、この問題を出してきています。知識で殴る問題じゃない、と番組側が最初から宣言していたわけです。だとすれば、有名な名言を知っているかどうかを競う土俵に乗った時点で、そもそも負けている。

で、自分でさらに「推理」してみた

で、ここでSolに一行投げました。①ある事実をひとつ渡してダジャレ路線を潰す、②考える枠組みを指定する、③答えるべき問いを絞る。この三つを詰め込んだ質問です。中身は伏せます。

【この部分はエントリー期間中のため伏せています。8月23日の応募締め切り後に再公開します】

この時点で、私の中では答えの骨格はもう出来ていました。歴史上の偉人を探す問題じゃない、というところまでは自分で詰めてあった。迷っていたのは一点だけで、その確認のためにSolに投げています。推理させるためじゃなく、裏を取らせるためです。

Solの回答は、ほぼ想定通りだった

返ってきたのは、公開されている情報を丁寧に拾い集めて並べた回答でした。そこから条件を絞り込んで、設問の主語についてある解釈を返してきます。

【この部分はエントリー期間中のため伏せています。8月23日の応募締め切り後に再公開します】

欲しかった裏取りはこれで取れました。公開情報を端から読んで必要な記述を拾い出す作業は面倒なので、そこは使えます。

いや、そこは最初からそう言っている。そういう枠で投げたんだから、そう返ってくるのが当たり前です。枠の中で辻褄を合わせるのが上手いだけで、枠そのものを作ったのは人間側。

「それ、どこに書いてあった?」と聞いてみた

ただし、回答がやけに具体的だったので一応確認しました。「それ、本当にそう書いてあった?」と。

元になった記述そのものは、たしかに明記されていました。先ほどの回答で問題だったのは、そこではなく、そこから先の推測を事実のように書いた点です。

(中略)ただし、原文に書かれていない部分がいくつかあります。これらは公開情報から考えられる推測であって、確定情報ではありません。

私も原典を読み直しましたが、この切り分けは正確でした。書いてあることと、そこから先の推測が、きちんと分かれている。

この一手は使えます。回答がもっともらしいときに「それ、どこに書いてあった?」と聞けば、事実と推測をこうやって分けてくる。裏取りに使うなら、セットで。

で、最終的に出てきた答えも、正直つまらない

そのあと私から、番組ファンなら誰でも知っている決勝戦の風景を前提として渡したところ、Solはこう着地しました。

【この部分はエントリー期間中のため伏せています】
自力でここまで推理してエントリーした方から、「エントリー期間中に公開されると枠が奪われる」というご意見をいただきました。もっともなので、応募締め切りの8月23日を過ぎてから再公開します。

ただ、つまらない。実につまらない。

無難すぎる。番組の決め台詞をひっくり返しただけなので、誰が書いても同じ言葉になります。審査する側からすれば「まあ、そう来ますよね」でしょう。前回のFable 5のカエサルもそうでしたが、AIが出してくる答えは、どこまで行っても「誰でも書けるもののうち、いちばんスコアがいいやつ」にしかならない。

一方その頃、Fable 5は最後までダジャレを捨てなかった

Fable 5にも推理縛りで聞き直しました。「今回のウルトラクイズでは『知識を超えた推理力』が重要だそうです。知識ではなく推理をして解答を出してください」と。

推理縛り、了解です。今回は人名も史実も一切封印。証拠は問題文の中だけ、という探偵スタイルで解きます。手がかりは5つ----①冬 ②冷たい海 ③叫んだ ④英雄 ⑤名言。これを全部使い切る答えが真犯人です。

◎本命:「ヒエ〜〜ロ〜〜!(冷えろ〜)」
④「英雄」を開くと「ヒーロー」。②冷たい海に落ちた人間が反射的に発する音を考えると「ひえっ」、①冬ならなおさら伸びて「ヒエ〜〜」。彼は英雄だから叫んだのではなく、冬の海で「ヒエ〜ロ〜(冷えろ〜)!」と叫んだ声を聞いた人々が、彼を「ヒーロー」と呼ぶようになった。英雄の語源事件、これにて解決。

○対抗:「鮭(サケ)ーッ!」
③「叫んだ」を凝視すると「さけ・んだ」。①冬の②冷たい海といえば、まさに鮭の海域。

▲単穴:「冷たいっ!」
凡人が言えば悲鳴、英雄が言えば名言になるから。

......全力でダジャレでした。1ミリもブレない。

達者ではある。ただ、これで審査を通るかは別の話です。

プロンプトエンジニアリングって言葉、もう誰も言わなくなったけど

生成AIの回答はブレます。アカウントに溜まった過去のやりとり(メモリ)に引っ張られるし、デコーダーのTemperature設定ひとつで語り口も変わる。検索が走ったか、RAGで何を食わせたかでも変わる。前回の記事でわざわざ全モデルをログイン直後のクリーンな状態で揃えたのも、これを潰すためでした。

で、条件を揃えてしまえば、みんな同じモデルを叩いているので、同じプロンプトからは大差ない答えしか返ってきません。実際、前回9モデルに同じ質問を投げて出てきたのは、「有名な英雄の名言リスト」のバリエーション違いばかりでした。

今回、同じSolから違う出力が出たのは、モデルが賢くなったからではなく、私が事実と枠組みと問いを指定したからです。「プロンプトエンジニアリング」なんて言葉はもう誰も口にしなくなりましたが、ガベージイン・ガベージアウトは1ミリも変わっていない。ゴミを入れればゴミが出る。良い問いを立てて、必要な事実を渡して、Step by Stepで考え方の枠を示せば、同じモデルから何倍もの働きを引き出せる。バズワードとして消費され尽くしただけで、技能自体は今でも効きます。

ただしそれ、裏取りと作業効率の話でしかないんですよ。

結局この問題、AIには絶対に答えられない

この設問を私がどう推理したかは、上記の通り締め切りまで伏せます。ただ、結論だけ書いておきます。

その構造が見えてしまえば、あとは...

【この部分はエントリー期間中のため伏せています。8月23日の応募締め切り後に再公開します】

裏取りにはAIを使えばいい。公開情報を端から読んで拾い出す作業は、機械の方が速くて正確です。でも最後の一行だけは、自分で書いてください。そこだけは、代わってもらえないので。

ヒューマンエラーは仕方ない

さて、ここまで散々「最後の一行は自分で書け」と偉そうに語ってきたわけですが。最後に、致命的な報告が。

私、この裏取りをする前に、野茂英雄案でエントリーシートを提出しちゃったんですわ。

しかも、これがタチが悪い。「英雄」を「ひでお」と読ませるダジャレは、自分で思いついたアイデアです。それをSolにきれいに清書させて、そのまま送信しました。櫻井さんが「えいゆう」と読み上げた瞬間に崩壊が確定していた案を、です。

自分の言葉で書け、と散々言っておいて、自分は自分のダジャレをAIに整えさせて出している。しかも外している。ガベージインとかそれ以前の問題ですw

1次予選の合否通知は、予選の1週間前を目処にメールで届くとのこと。まあ、来ないでしょうね。50周年で、自分も50歳。同い年の番組が28年ぶりに帰ってきた記念すべき年に、私は書類で散ります。ニューヨークへ行きたいかー! ......行きたかったです。

皆さんは、ちゃんと自分の言葉で書いてください。切に。

どうしても今すぐ読みたい人へ(有料note・300円)

とはいえ、「8月23日まで待てない」「もう応募は出したから今すぐ答え合わせがしたい」という方もいると思います。伏せた部分の全文を、noteに有料記事として置きました。

「冬の冷たい海で叫んだ英雄の名言」ITmediaで伏せた推理と答え、全文公開します
note/300円

この記事から削った推理の過程と、Solとのやりとりの中身、そして最終的な答えが、削る前の形でそのまま入っています。

「無料で全世界にばら撒くのはやめてくれ」というご意見はもっともなので、こちら(ITmedia)は締め切りまで伏せたままにします。どうしても、どうしても見たいという方だけ、自己責任でどうぞ。

【免責事項】
・記載内容は秋山大志個人の推理であり、正解である保証は一切ありません。番組が正解を発表しているわけでもありません。
・この内容を参考にして応募した結果、審査に通らなかった、他の応募者と答えが被った、その他いかなる不利益が生じた場合も、一切の責任を負いません。
・「内容が期待と違った」「答えが間違っていた」等の理由による返金には応じません。noteの返金申請の受け付けもオフにしています。
・当ブログおよび当該note記事は、日本テレビならびに番組制作者とは一切関係のない、個人の書きものです。
・以上をご理解いただける方のみ、自己責任でご購入ください。

ちなみに、私はこの推理をする前に野茂英雄案で応募して自爆しています。300円払って買うのは、そういう人間が書いたものです。そこも含めて自己責任でお願いします。

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