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就活SWOT/株式会社エイリスト代表の酒井一樹による「ホンネの」就活論。

【就職活動】「大手企業だから給与も良いはず」という思い込みは危険です

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今回は、東証一部に上場する文具メーカーに就職された女性社会人の方から、入社後に感じたギャップ・不満点について教えていただきましたので、紹介させていただきます。

これらの不満は、事前に募集要項をしっかり見て、社員に確認していれば防げたことかもしれません。

1つの事例として、同じ失敗をしないように参考にしていただければと思います。

▼右も左もわからず、大手文具メーカーに就職。

気になるメーカーのホームページを見たりしながら、少しずつ就職活動を始めました。

半年程した頃、1社の文具メーカーから内定を頂けました。

一部上場企業で有名な会社という事もあり、すぐに内定を受理しました。

配属された部署は商品企画部だったので、やりがいを感じられそうと思い、ワクワクしながら入社しました。

総合職だと思っていたのに…女性は全員一般職?

しかしながら入社してまず驚いたのが、女性は一般職扱いという点です。

企画部だったので、当然総合職だと思っていたのですが、なぜか女性は全員一般職スタートでした。

まずこの制度から、女性差別を感じていました。

しかしながら仕事内容は男性と変わりません。

残業もしっかりあります。

そしてこの残業に対しても、納得できない部分が多かったです。

定時は17時半なのに、なぜか残業代が19時からしか付かないのです。

その上、月20時間を超えた残業分しか残業代が出ないので、ほぼサービス残業です。

「定時は17時半なのに、なぜか残業代が19時から」という部分については

その企業の勤務条件がわからないため明確なコメントはしづらいのですが、

「月20時間を超えた残業分しか残業代が出ない」という部分に関して言及すると

この方がいらっしゃった企業には、「見なし残業代(固定残業手当)」が設定されていたのだと思われます。

そこまで珍しいものではないのですが、就活生にとっては耳慣れない言葉ですね。

(適切な手続きを踏んでいれば、違法ではありません。)

ですので厳密にはサービス残業ではないのですが、仕組みが理解されておらず、よく出る不満の1つです。

ナビサイトにはそこまで書かれていない事がありますが一般的には雇用契約書などにしっかり書かれていますし、面接時などに確認することも可能です。

また企業によっては、完全に一般職と総合職が分かれていることもありますし

実際「女性は一般職でしか採用しない」という企業などもありますので注意が必要です。

大手だから待遇が良い、というのは大間違い

そして給料に関しても、就職前にサイトで見ていた額は20万だったのですが、これは総合職の給料です。

一般職の私達は18万で、この中に全ての手当が含まれています。なので実質手取り15万もありません。大手だし福利厚生がしっかりしていると考えていただけに、とてもショックでした。

もし総合職になりたいなら、テストを受けて合格しなければいけません。男性はテストを受けなくてもいいのに、なぜ女性だけこんな扱いなのか、納得できません。

それでもテストを受けようとすると、「総合職になると転勤がある」と脅されます。男性は誰も転勤していないのに、女性の総合職だけ転勤があるのはおかしな話です。

入社前に大手だから安心と考えていた私の考えは甘かったです。面接時に、女性でも総合職として採用されるのかも、しっかり確認しておけば良かったと後悔しました。

タイトルにもある通り、大手企業だからといって給与などの待遇が良いとは限りません。

もちろん大手企業の中で要職につき、「付加価値の高い仕事」に付くことが出来れば給与は高くなりやすいのですが、人・物・金を動かす立場にない一般社員に関しては、大手でも中小でも給与が大きく変わるわけではありません。

あくまでも、多くの人・物・金を動かして、大きな付加価値を出すからこそ給与が高くなるのであって、大手企業だから給与が高くなるわけではありません。

特に、上場している企業であれば株主のために利益を出す責任がありますので、必要以上に高い給与を出せないケースもあります。

また有名企業だからこそ「給与を高くしなくても、採用に困らない」という側面があるのも事実です。

誤解のないように書いておきますが、大手企業の給与が低いというわけではありません。もちろん平均で見れば高い給与が支払われている事が多く、同じ方が中小やベンチャーに転職した場合、少なくとも転職当初は年収が下がることの方が多いでしょう。

しかしそれよりも重要なのは、「その会社でどんな価値を生んでいるのか」であり、大企業に就職したとしても組織の中でどの位置につくかによって自分に支払われる給与も大きく変わるということです。

「大手か中小かベンチャーか」という部分だけに注目して企業選びをしているかたは、そういった点を見逃しがちです。

そのことも意識しながら就活をすれば、今回ご紹介した体験談のような不満を持たずにすむかもしれません。

出典入社後のミスマッチについての就活記事

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