アメリカ連邦航空局（FAA)がスーパーボウルの会場付近に飛行禁止区域を設定した件
ドローンの運用については実は各国それぞれいろんな規制があって誰もがどこでも飛ばせるわけではなく、また飛行可能な場所かどうかに関わらずトラブルや事故も起きているのは各所で報道されていたりしますが、たとえばアメリカの日付で2月1日にアリゾナのフェニックス大学スタジアムで開催されたスーパーボウルでは半径30マイルの飛行禁止区域が設定されていました。
FAAの飛行禁止区域設定通達はこちら
SUPER BOWL XLIX FLIGHT ADVISORY
FAAからのメッセージはこちら
Fact Sheet - Federal Aviation Administration Support of Super Bowl XLIX
ざっくりいうと、スタジアムを中心に10マイル以内は全面飛行禁止、その外の30マイルまでのドーナツ型の区域はフライトプランが承認されている航空機以外進入禁止という内容。かなり厳しい飛行制限です。
それについていろいろな記事が書かれているんですが・・・
ざっといくつか見てみたのですが、仕方ないよねという論調もあれば、「さすがにやりすぎじゃないのか？」という論調もあったりと、それぞれです。因みにアメリカでは民生用ドローンの操縦にパイロットの免許取得を義務付ける話まで出てきていて関係各方面が「勘弁してくれ」と声を上げたりしてるみたいですが、操縦技術に加え法的知識をきちんと持っていないと色々起きるのは素人ながらにも容易に想像できるので、何かしら規制はできるんだろうなと思っていたりはします。
たとえばスポーツに関わる部分での事象でいうと・・・
因みに純粋にスポーツ競技が行われる場所でのドローンの絡んだお話で私が記憶してるいくつかをざっとあげると、MLB（野球のメジャーリーグ）のオールスターゲームでドローン検知システムのテストがされた( Yahoo Sports By Mark Townsend January 31, 2015 Report: Drone detection system was tested at MLB All-Star game) とか、カレッジフットボールの試合前にスタジアムのでドローンが飛んでいるのが見つかって大騒ぎになった (The Washington Post By Craig Whitlock November 9, 2014The flying of unauthorized drones at stadiums prompts safety concerns) とか、欧州でのサッカーの試合でフィールドの上をドローンが飛んで試合妨害した件 (The New York Times By DAN BILEFSKYOCT. 17, 2014 Drone Stunt at Belgrade Soccer Match Stirs Ethnic Tensions) あたりが割とわかりやすい話かもしれません。
ドローン自体の技術的な話や映像制作における有効性等々はもちろん重々承知してはいるつもりですが、現実の世界で既に面倒くさいことが起き始めているので、規制がかかるのはある意味致し方ないかというところもあるんじゃないかとは思います。
もちろん日本では法規のあり方が違う部分があるのでアメリカとは事情が異なる部分がありますが・・・
もっと自由に撮影したいのに！という声の裏側で規制をかける理由には落ちたときの事故の問題以前に競合相手からの偵察行為を防止するべきだという話もあるし、更にはテロ行為の道具に使われることを恐れる部分が当然あったりします。ある程度の搬送能力を持ったドローンが爆撃を始める姿を見たいという人は一般には居ないとは思いますが、残念ながら世の中のすべての人を性善説で理解することはできない。
軍用では小型のドローンが既にいろんな形で利用されつつあるのは事実だし、小型のドローンに攻撃された時の反撃方法等についての研究も進んでいるのですが、それと同じことが民生用でもおきうるのでそれなりに取扱いを注意しないとダメだという側面を忘れてはいけないと思うんです。
たとえばホワイトハウスの軒先にクワッドコプターが落ちて「空襲か！」と大騒ぎになり、メーカー自らが「そんなことするってあり得ない」とある意味間抜けなコメントをするハメになっていたりする (CNN By Jim Acosta and Cassie Spodak Updated 2147 GMT (0547 HKT) January 30, 2015 Drone maker says it's 'highly unlikely' White House drone malfunctioned) 事態が起きてる現実からすると、いろいろと考えてしまいます。
もちろん、いろんなところでいろんな目的のために応用できるのは重々承知なのですが、法規やら社会やらと妙な軋轢を起こさず、いろんな方向で役立つことを願ってやまない心境です。オリンピックもあるし。
