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「生保」というと最近は「生活保護」の略称だったりしますが、こちらは「生命保険」です。保険会社(メーカー)、代理店(販社)だと言いづらいこと、言えないことを、分かりやすく書いていきたいと思います。新規加入や見直しの際にご参考にして頂ければ幸いです。また、取り上げて欲しいテーマがあればリクエストしてみて下さい。可能な限りお答えしていきます。

保険に関して消費者を愚弄する「残念パターン」を通り越した「悶絶パターン」

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巷には、「保険コンサルタント」や「生活カウンセラー」などのお偉い先生方が保険について色々著述する記事が多々あり、それをありがたくご参考にさせていただくことがあるかと思います。

保険というものは目に見えなくて分かりづらいものであり、それぞれの考え方や環境によってニーズもウォンツも変わってくるものですので、様々な論説や評論、提案などあって然るべきです。

しかし、消費者に対して「残念パターン」と称して上から目線で貶めるような論調はいただけません。

それでも、論理的に、或いは現実的に的を得たものであれば表現だけの問題で意義があると思われますが、そうではなく突っ込所満載で、半ば破綻したような論拠や明らかな事実誤認を並べて「これが保険における<残念パターン>ですよ」と、まともに保障や将来の備えをしようとする方々をバカにするようなことは許されるものではありません。

そのパターンをまとめてみます。


1、保障を得て安心するのはナンセンス

2、保険で資産運用は何があっても損になる

3、お客は何も考えずに「背中を押してもらいたい」だけ


詳しく見てみます。

<1、保障を得て安心するのはナンセンス>ってことは、保障や保険を根本的に否定しているようなもんです。
支払った保険料と給付される金額がイーブン以上にならないものは損なのですべてやめなさい、という理屈で、特に入院や手術などに備える医療保険について語られます。

確かに統計的に支払った保険料以上の給付をもらうことはほぼあり得ませんが、いつ病気やケガをして、いつ入院や手術をすることになるのか分からないから保険に入るんですよね。

もちろんバランスは必要で、すべて保険で賄えるようにしようとすれば多くの保険料負担が必要になりますが、現実的に現在負担できる範囲で適切に入院や手術の保障を得ることに何の問題があるのでしょうか。

「80歳までの支払い総額はおよそ240万円になりますが、それを回収するには240日入院しなければなりません」って、だから何?ってなもんです。

このようにコストの想定できる総額と回収する可能性を考えるのは悪いことではありませんが、これを根拠に保障自体を否定するのは明らかに間違っています。

例えば、40歳時点で毎月5千円の保険料で日額1万円の入院保障に加入するのと、毎月5千円を積み立てるのを比べるとどうでしょうか。

鉄の意志で<病気やケガの入院や手術やそれに伴う原資>のためだけに、毎月5千円積み立てて5年たてば30万円になります。

1ヶ月以内の入院であれば賄えるかもしれませんが、もし積立2年目で入院や手術になるような病気やケガをした場合は、その時点で12万円しか貯まっていませんのでかなり心細いです。

それより何より、「鉄の意思で<病気やケガの入院や手術やそれに伴う収入源>のためだけに、毎月5千円積み立てる」ことがノーマルな人間にできるのでしょうか。
生活口座とは別にいつ必要になるか分からないことに対して、他に流用現金で地道に積み立てるわけですが。

おそらく無理でしょう。

よしんばやったとしてもタイミングによっては備えとしては不充分になってしまいます。

つまり、この論理は「ほとんどの人ができない程ハードルが高く、備えに不充分なことをを奨励している」ことになります。

「保険に長いこと入っているが1回も入院しないで保険屋を儲けさせちまったよ、ちくしょう」という後講釈は居酒屋でやっていただくとして、公の場でフォーマルに語るのはかなり恥ずかしいことであると認識して下さい。

<2、保険で資産運用は何があっても損になる>というものかなり暴論です。
まず、保険で資産運用ということは年金保険を除けば、死亡保障のコストがかかっていますので、その分運用に回す原資が減るのは当然なのですが、それでも商品によっては10年で元本が保証されてそれ以後は更に増えていくものが数多く販売されています。

まともな保険販売の現場では、10年以内の解約であれば元本割れしてしまうことは充分に説明した上でお客様は加入する訳で、気に入らなければはじめから加入しません。

<保険で資産運用は何があっても損になる>根拠というのが、他の金融商品などと比べて手数料が明確でないから、どれだけ運用に回っているか不透明であるから損をするに決まっている、という乱暴なものです。

確かに手数料が○%、などと設計書などと明記されてはいませんが、1年ごとに解約した場合の返戻金は明確に記載されています。

一部の変額保険などを除けば、ほとんどの保険商品は解約した場合に払い戻される金額は明確であり、差し引かれる金額の明細がどれだけ保険会社の儲けで、どれだけ死亡保障のコストかなどどうでもいいことです。

それを投資信託などの金融商品は手数料が明確で、どれだけ運用に回っているかはっきりしているから安心だと訳の分からないことを堂々と述べていたりします。

手数料が明確であれば10年後に元本割れする可能性がある方が、手数料が明確でなくて10年後には確実に元本が保証されて、さらに支払う金額より大きな保障が一生涯続くより絶対に有利で安心できる、と言っているのです。

資産運用を考えるのであればどちらもありで、片方を選ぶか両方バランスよく利用すればいいだけのことです。

手数料が明確であるかどうかだけで<保険で資産運用は何があっても損になる>と言い張るのは大間違いです。

次の<3、お客は何も考えずに「背中を押してもらいたい」だけ>については怒りを通り越して呆れてしまいます。

保険の相談に来るお客様に対して、上記の<1>と<2>のような「正論」をお話しをすると「居心地が悪そう」になる方がいると、上から目線でお客様を哀れんでいたりします。

「正論」を理解できない人をバカにする、つまり安心が欲しい、将来に備えたい消費者を愚弄しているように思えてなりません。

お客様が「居心地が悪そう」になるのは、お話しが的外れで論理的に破綻しているからのなのですが、それに気付くことなく「背中を押して欲しいだけ」などと感じてしまうメンタリティは傲慢としか思えません。

その傲慢さ故に情報収集や柔軟な考え方が不充分であり、保険商品についての認識不足や考え方の偏りが顕著です。

過剰に不安を煽って過大な保障を押し付けがあり得ることが、保険募集人が嫌われる要因のひとつですが、その逆をやればいいというもんではないはずです。

大勢の反対を行ってエッジを立たせて名前を売ろう、という魂胆なのかもしれませんが、傲慢さ故なのか一般の消費者を愚弄するような結果になってしまっています。

最後に保険コンサルタントを名乗る方が「保険に多くを求めないことにすると、手元に残る資金が確実に増えます」などと言い切っていたりします。

これって明らかに保険料についてだけの話しですよね。
「保険に多くを求めないこと」はいいと思いますが、「手元に残る資金が確実に増えます」って、単純に保険料の支出が減ってそれを他に使わずに貯めらる前提の話しで、万一の給付金や保険金がもらえることは全く考えていないわけですね。

保険コンサルタントを名乗る方が、給付金や保険金がもらえることを想定していないことに関しては悶絶するしかありません。

ご参考:http://www.nikkei.com/money/household/hokenhonto.aspx?g=DGXNMSFK23015_23122012000000&df=1
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