長生きのリスクについて考える
「・・・長寿をもてはやし抗加齢(アンチチエイジング)に踊る一方で、日本人の平均で男6.1年、女7.6年間寝たきり生活を送る・・・」
(「日本人の死に時」 久坂部羊・著 幻冬舎新書より)
著者は在宅医療専門クリニックに勤める現役医師で作家です。
「破裂」というベストセラーがあるのでご存知の方は多いと思います。
最近本屋さんの店頭でアンチエイジングものが目立つので、天邪鬼な私はこの本を新手の「アンチ・アンチエイジング本だな」と感じて手に取りました。
しかし2007年初版のもので、別に「アンチエイジングが流行っているから、それに対抗しよう」というだけのものではありませんでした。(アンチ・アンチエイジングの内容は一部ありますが)
完結に内容をお話しすると、日本人は長生きし過ぎてているのではないか、上記の「男6.1年、女7.6年」がその「長すぎる年数」ということです。
健康寿命が終わっているのに、平均寿命はそれをオーバーしてしまう・・・それにより医療や介護の負担が重くなってしまう・・・そこで一番辛いのは長生きをし過ぎてしまった本人である、と在宅医療の現場から著者は強く訴えます。
当たり前のことですが、医者は患者を生かそうとするのが仕事です。
呼吸困難であれば人口呼吸器を、食べられなくなったら「胃ろう」を施すなど行うわけです。
もちろん、それらによって復活が見込める年齢や症状であれば当然の処置となりますが、そうでない場合患者はそれこそ<死ぬより辛い>状況になり、医療費も嵩み、周りに大きな負担を強いるケースが少なくないようです。
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私事で恐縮です。
昨年の夏に父が亡くなりました。享年83歳でした。
その半年ほど前から急激に衰えて、ひとりで出かけることが難しくなり「要介護3」と認定されてデイサービスを受けている状態でした。
その後、意識を失って倒れたりすることがあり何回か入退院を繰り返して、最後の入院のときにはほとんど意識がなくなり、眠るように亡くなりました。
ケアマネージャーから「要介護4の申請を出しましょうか」などと提案を受けていた状態で、病院では明確な病状がなければ入院はさせてもらないこともあり、場合によっては介護施設に入所することも検討していました。
最後の入院の前には、食事を摂らなくなっていました。
最後の入院後すぐに「胃ろう」の話しなどが出る前に、スーと逝ってしまった感じでした。
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「日本人の死に時」は、私が感じていたことを医療の現場からの事実として伝えてくれたものです。
<死>をコントロールするのは難しいことですが、心構えはある程度できるのではないかと思います。
健康寿命はひとそれぞれで、環境によっても左右されるので「○○歳までは生きる」と目標を立てるわけにはいかないのですが、そのときが来たら滞りないようにしたいと考えます。
(だって「死ぬより辛い」なんていやでしょ・・・それだけの理由ではないですが)
最後に生命保険のお話しを少々。
父は数年前にアフラックのEVERに加入していましたが、入院してもすぐ退院させられてしまったのでさほど給付金はもらえませんでした。
終身保険はかんぽ生命にかなり前から加入しており、そこから契約者貸付を利用していました。
借入金は保険金で消滅して、多少のおつりもあったようで役に立っていました。
「長生きのリスク」に備える方法として、死亡保障を兼ねた終身の介護保険のお東京海上日動あんしん生命「長生き支援保険」が頼りになります。
要介護にならなくとも、終身の死亡保障でもあるので無駄にはなりませんし、貸付も受けられ長生きのボーナスもあります。
保険料は同じ死亡保障で比較すると当然少々高くはなりますが、「長生きし過ぎるリスク」に多少備えることはできそうです。
それでも若い輩に、いきなり「長生き支援保険」を勧めるのも少々気が引けますね。
いや、そうでもないかな。
他にもいろいろ書いています。
ご興味があればお立ち寄り下さい。
保険選びネット
http://www.hoken-erabi.net/seihoshohin/goods/7581.htm
<具体的な商品の比較など月一で書いています(ほぼ月末更新)>
「引受緩和型医療保険」の告知内容の比較など取り上げています。
ヤフー知恵袋
http://my.chiebukuro.yahoo.co.jp/my/shigotonin38
<知恵ノートはほぼ月二で随時更新、生保関連の質問にも答えています>
ご指名の質問大歓迎です。