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「生保」というと最近は「生活保護」の略称だったりしますが、こちらは「生命保険」です。保険会社(メーカー)、代理店(販社)だと言いづらいこと、言えないことを、分かりやすく書いていきたいと思います。新規加入や見直しの際にご参考にして頂ければ幸いです。また、取り上げて欲しいテーマがあればリクエストしてみて下さい。可能な限りお答えしていきます。

がん保険をあえてお勧めしない理由

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自慢になりませんが(でも自慢したいと思っている)、実は個人のお客様にがん保険を勧めたことがありません。
(法人のお客様には福利厚生プラン〈実は節税対策〉としてプレゼンしたことはありますが)

お客様から「がん保険でいいのはないですか」などと言われれば、こちらも商売でしたから最善の提案をして結構販売していました。

ご提案する条件としたのは、

1、終身タイプ
2、診断給付金は複数回
3、上皮内がんでも100%給付

の3つでした。
するとアフラックとアリコジャパン(現メットライフアリコ)は外れました。
アフラックは診断給付金は初回のみ(再発では出ない)で、上皮内がんについは両者とも診断給付金は満額でなく10~50%と削減されるのであまりおいしくないと思ったからです。

当時お勧めしたのは日本興亜生命と東京海上日動あんしん生命の商品でした。
上記の条件を満たしていたので、少しでも有利なものをお勧めしていたわけです。    

チョット冷静になった考えてみましょう。
通常の入院保険に加入していても、がんで入院手術をした場合には給付金があります。
がん保険との大きな違いは「診断給付金」で、診断されると100~300万円給付されるというものです。
これは正直かなり助かると思います。
ただ、よく考えてみると「なんでがんの場合だけ一時金が必要なのか」と疑問に思いませんか。

確かに30年ぐらい前は「がん=死」のような状況で、治療方法も限られており、精神的にも今とは比べものにならいぐらいのショックがあったと思います。

現在では、がんは不治の病ではなく他の疾病と同じく早期発見であれば治癒できる確率は高く、入院日数などは他の成人病(脳血管疾患など)に比べると平均値で短くなっている状況です。

日本人のがんに罹る確率は50%前後と言われていますが、逆に考えると50%の方はがんに罹らないということです。

しかし、誰でも年をとれば何らかの病気になる確率が上がるわけですが、半分は「がん以外」と考えられるわけです。

つまり、がんという病気は他の病気と同じと考えてもいいのではないか、という観点です。
ですので、通常の入院保険で備えておけばこと足りるのではないか、という考えを起点にしています。
その上で「やっぱりがんは心配」「半分がなるのであれば備える」となれば、そこではじめてがん保険の加入を検討すればいいと思います。

目途として、40歳男性でアフラックなどの終身医療保険の毎月の保険料は4千円代ですので、がん保険はだいたい2千円代ぐらいにして合計で6~7千円ぐらいに抑えるのがいいのかな、と思っていましたが、最近のがん保険事情としてアフラックや東京海上日動あんしん生命の新商品は、様々な新しいオプション込で医療保険と同じぐらいの保険料になってしまします。
そうなると合計で8~9千円の保険料負担となってしまうので要注意です。

生命保険は最低限でいい、と思います。

がんは疾病の"one of them"割り切り通常の医療(入院)保険で備えて、もし差額の3千円が発生するなら将来の積み立てに回す方が賢明ではないかと思います。

「がんに備えたい」と言う方に「やめた方がいいですよ」とは言いませんが、「どうしようかな」と言う方には「入院保険があれば充分かもしれませんね」とアドバイスします。

以前触れたかもしれませんが、私自身家族を含めてがん保険には加入しておりません。
通常の入院保険でも、最低限の手当てはできると踏んでいるから、と言うより「がんだからと言って他の病気より多く備える必要なないだろう」と考えているからです。

 

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