生保のウラ技 ~ファンタスティック編2~
たとえば、あなたが1993年の3月に終身保険に加入したとします。
今から18年前ですので、今より若いので保険料が安く、前回お話した「予定利率」が高いので(現状1.50~1.75%のところが5.5%)さらに大きく保険料の割引がありまた。
冷静になって考えてみましょう。
これは終身保険ですので、有効期間は死ぬまでとなります。
その長期間、当時の高い予定利率が固定で継続されるのです。
こんな金融商品、他にあるでしょうか?
前回も少し触れましたが、長期の住宅ローン(フラット35など)はその逆のパターンで存在しますが、返済ではなく貯蓄するタイプで長期金利固定は、おそらく存在しないのではないでしょうか。
(何かあればご指摘下さい)
これだけでも結構ファンタスティックだと思いますが、「払い済み」ができることで更に他ではあり得ないメリットがあります。
一定期間継続するか、一定の解約返戻金が貯まっていることが条件になりますが、「払い済み」をすることにより
・その後の保険料の支払はなし
・終身の死亡保障は保障額は下がるが継続
・解約返戻金は、当時の予定利率のまま増え続ける
・契約者貸付(死ぬまで返さなくていい借金)も可能
10年以上前の生命保険を見直す際に、このことを知っているのとそうでないのとでは雲泥の差が出ます。
せっかくの予定利率が高い「お宝保険」の部分をも解約して、現状の予定利率が低い終身保険、またはバーチャル終身保険に切り替えちゃったりしてしまいます。
大手国内生保の「転換」がその最たるのもです。
(「転換」についてはいずれ書きます)
古くから生命保険の定番と言えば「定期付き終身保険」です。
終身保険が主契約で掛け捨ての四角い10年か15年の定期保険が乗っかっているものなのですが、この終身保険部分が「お宝」です。
もちろん、その終身保険部分の保険料を払い続けることができれば、それに越したことはありませんが、一定の条件が揃えば「払い済み」をしてその部分の保険料をカットすることができるわけです。
支払をストップしても残りの原資は当初の固定利率で運用し、さらに死亡保障がついている金融商品は他ではあり得ません。
まあ、死亡保障はおいといても、放っておいて固定金利で死ぬまで固定金利で増え続ける金融商品はないでしょう。
この10年以内加入の終身保険を「払い済み」にしてもそれほど美味しくはありませんが、それ以前にご加入の方には間違いなくメリットがあります。
繰り返しますが、一番効率的なのは、「お宝保険」である終身保険部分の保険料を支払って継続することです。
ここでの「払い済み」においては、保険料を支払わなくても、当初のメリットを死ぬまで継続できるところがファンタスティックではありませんか。
お客様にとって「ファンタステック」なことは、保険会社にとってマイナスです。
この「予定利率」については明確なのですが、保険会社特に大手国内生保は過去の「お宝保険」を大量に抱えていますので大変です。
「お宝保険」は保険会社にとっては「逆ザヤ」です。
お客様に5.5%の予定利率を約束していても、現状裸の利回りで2%での運用ができれば御の字の状況ですので、なるべく昔の予定利率が高い終身保険や年金保険は、 逆ザヤ解消のため消し去りたいわけです。
かといって多くが解約されてしますと保険料が入ってこなくなり資金が枯渇してしまいます。
そこで、実はこの10年でお客様の予定利率が高い「お宝保険」を巧妙に現状の「予定利率が史上一番低い」保険に切り替えて来ていますので、かなり楽になっているようです。(これが「転換」ですね)
(あなたの生命保険も、いいように切り替えられていたかもしれませんよ)
古い生命保険を見直す際、貯蓄性がある終身保険や年金保険については必ず前回提示した「予定利率の推移」でチェックしてみて下さい。