本当は極めてシンプルな「必要保障額の算出」3
前回まで「生活保障額」と「教育費」についてお話しました。
巷のFP(ファイナンシャル・プランナー)の方々が算出する方法よりかなり
シンプル(大雑把?)ではないか、と思われた方がいると思います。
そうです、大雑把です。
FPに限らず、主に外資系やカタカナ系などの男性営業マンはもっと細かく
どうでもいいようなことを聞いてきます。
たとえば、現在の預貯金額や、年収、退職金見込み額、お子様は大学まで進学
させるのか、国公立か私立か理系か文系か・・・などなど
大きなお世話と感じるのは私だけでしょうか?
預貯金なんてあってもすぐなくなりますし、年収はまあいいとしても退職金の
見込み額なんて国家公務員でもさえも見通せないご時勢です。
小学生の子供の進路なんて、まったくの夢の世界ですね。
「私立の文系の大学に進学したらこのぐらい費用がかかる」と提示するのは
いいとしても、これらをヒヤリングして「ニーズ喚起」され過ぎると敵の思う
壷です。
ヒヤリングしなくてはならないのは、毎月の生活費と持ち家か賃貸かなどの
住宅の状況です。
(住宅ローンか家賃かによって「生活保障額」は大きく変わります)
もっともらしく「預貯金があれば必要保障額はその分減らせます」とか「物価
上昇率を加味して・・」とか「快適な老後のために65歳までに3000万円必要です」
など面倒くさい話を持ち出して、「キャッシュフロー表をつくりましょう」とFPや男性営業マンは迫ってきます。
これらは単なる儀式のようなものであり、「ここまでやってくれるのなら」とか
「こんな複雑な計算は専門家でないと無理だ」と思わせることが目的であると
しか思えません。(飽くまで個人的な見解です)
まず、すべてを生命保険で担保するのはナンセンス(販売側としては理想ですが)
であり、担保するとしてもあまりにも変動する要素が多い事柄を「高め」に見積もって
必要保障額を算出して「ニーズ喚起」するのはどうかと思います。
普遍的な要素や数字だけを鑑みて、必要最低限の保障があれば充分です。
お子様の年齢(独立するまでの期間)は決まっていますので、その部分の生活費や
教育費を一番少ないコスト(保険料)で付保できればいいのです。
はじめから「生命保険は必要だ」と思って「ニーズ喚起」されると、すべて
生命保険で賄わなければいけないような錯覚に陥ってしまう恐れがあります。
腕扱きの営業マンはその方向に誘導すると思った方がいいです。
遺族年金や教育費などの判断材料は必要ですが、「そもそも生命保険は必要なのか?」
と自問して、それでもここは必要だ、このコストならあってもいいかな、と
適切に判断することが肝要です。
次回に続きます。