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2013年はEdTechの年!日本・海外のIT×教育系サービス総まとめ

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2013年はEdTech(EducationとTechnologyを意味した造語)という言葉がかつてないほど一般的に使われるようになった年だったと思います。本ブログを書き始めた約4年前にはIT×教育についてのトピックはほとんどなくブログのネタを探すのにも大変だった記憶がありますが、今では日本でも有名企業がこぞって参入する市場になってきていますね。

そんな日本の市場にとってEdTech元年とも言える2013年、国内外問わずサービスを総まとめてみました。調べているうちにこんなに数があるのかと驚いたほどですが、どれも興味深いサービスばかりですのでぜひチェックしてみてください。

日本・海外のIT×教育系サービス総まとめ

◆海外サービス

・世界の教育格差をなくす『Khan Academy

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無料動画でアカデミックなレベルの講義が受けられるKhan Academy、世界で最も有名な教育サービスの1つでしょう。数学、物理学、化学、歴史学、言語学など様々なアカデミックレベルの内容が、無料でオンラインを通じてどこからでも受講できます。これが本当に無料なのかと驚くようなコンテンツばかりで、発展途上国の教育を受けられない子供がKhan Academyによってその国の最難関の大学へ合格したりと実績も着実に出してきています。世界中の一流企業からこぞって転職したがる人が出てきているように、世界の教育格差をなくそうとしているこのサービスのビジョンに共感する人が後を絶たないようです。 まだ使ったことがない方は英語ページばかりですが、ぜひ使ってみてください。

・高校教育のための学習コンテンツを無料で提供する『CK12.org

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CK12.orgは高校教育の学習コンテンツを無料で提供しているサービスです。数学や歴史など様々な科目があるだけではなく、なんと日本語にも対応しておりかなりの数のコンテンツが日本語でも用意されています。これで無料なのだから、本当にすごいサービスですね。ただ動画を見るだけでもなく、テキストを読んだり、研究レポートを読んだりすることもできるので、単調な学習になりにくいのも嬉しいところです。大人にとっても受験時代に学んだことを思い出すには良い機会になるかもしれませんので、ぜひ使ってみてください。

・オンライン授業の『Academic Earth

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オンラインにある学術系コンテンツがまとまっており、それらが無料で提供されています。MIT、ハーバード、スタンフォードなど一連の講座ないし講義のビデオを閲覧することができます。Khan Academyのように、一流プロフェッショナルの講義が無料で受けられるのが嬉しいサービスです。また同じようなオンライン授業が受けられるサービスに、専門家からの意見を動画で見ることができる『BigThink』や、スピーチや公開講座の方に主眼を据えている『Fora.TV』などがあります。

・教育用SNSサービス『Edmodo

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幼稚園から高校までの学級で利用するSNS。授業内容についての質問やディスカッション、連絡、課題の掲示と提出などの機能があり、教師が管理者となり、生徒や保護者を招待して情報をやりとりできます。また、保護者もグループ内のやりとりを閲覧することが出来るので、教師・生徒・保護者にとっての便利な情報交換プラットフォームになってくれるでしょう。現在は英語版のみなので日本ではまだまだ認知が低いかもしれませんが、アメリカでは教育系サービスの先駆けとして名高いサービスです。

・個人に最適化された学習が可能な『Knewton

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アダプティヴラーニング(適応学習)とは「個人個人に最適化された学習内容の自動提供」のことであり、例えば生徒ごとに苦手な分野や理解の薄い分野があった場合、テクノロジーによってその生徒にとって最も最適な(Adaptive=学習内容が生徒に適応した)学習コンテンツをレコメンドしてくれるというものです。近年はビッグデータ解析の技術が一般化したこともあり、教育の分野でもデータを活用した教育の最適化が進んでいます。現在はGMAT(アメリカの高校生向け試験)などのコンテンツのみですが、より幅広い内容が学べるよう今後のコンテンツ拡充に期待したいところです。

・数学の適応型オンライン学習サイト『DreamBox

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こちらもアダプティブラーニングの数学板と言ったサービスで、レッスンを提供しながら各生徒の理解度を随時チェックし、現時点の理解度に合わせてもっとも適切なヒントや励ましを適切なタイミングで児童に提供してくれます。日本のApp Storeではアプリはまだ利用できないようですが、今後日本でもサービス展開するのが楽しみです。アメリカのApp Storeからインストールする際はこちらからどうぞ。

・数分間単位の短い教育ビデオで勉強できる『Coursmos

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スマートフォンを使って、移動時間などのスキマ時間に数分の動画授業で勉強ができるサービスです。MOOCSのようにアカデミックなレベルの教育が無料で利用できるようになってきている一方、このようにライトな学習コンテンツのニーズも高まってきているようです。数分程度なので最後まで見きれないということもないので、気軽に継続して学びやすいですね。iPhoneとAndroidどちらもリリースされていますが、残念ながら日本では利用できないので日本対応を待ちましょう。

・算数と数学の勉強ができる『TenMarks

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幼稚園から高校向けに算数・数学のオンラインコンテンツを提供しているサービスです。教育系サービスとしては割と古参兵で、数学の分野においては他のサービスより一歩先を行っています。つい先日Amazonに買収されたことでも話題になりましたが、Kindleとの連携など来年以降どのようにサービス展開をしていくのか非常に楽しみです。

・子供がゲームで算数を勉強できる『Motion Math

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Motion MathはiPadなどを用いて子供が算数を勉強できるサービスです。たとえば、分数を百分比や小数に変換する方法など、小学生の算数の最大の難所をアプリを通じて楽しく学習できます。無料のものから数百円のものまであるので、知育サービスとしてはお手頃価格なのが嬉しいところ。こちらもどうサービス展開をしていくのか注目です。

・web開発のあらゆることを勉強できる『treehouse

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treehouseはweb・アプリ開発に必要なデザインとプログラミングの勉強ができるサービスです。30日間の無料お試しのあとは、月25ドルから利用可とお手頃な値段設定になっているので、独学で勉強をしている人にとっては心強い味方になってくれるでしょう。また、人数限定で大学生に無料でサービスを提供するなど精力的に活動しているのでこちらもチェックしていきたいところです。

・教えたい人と学びたい人のマッチングができる『SkillShare

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SkillShareは教えたい人と学びたい人のマッチングができるサービスです。分野を問わず他の人に教えたい知識・スキルがあれば誰でも先生として講座を持つことができます。個人がベースになっていることもあり多種多様なコンテンツがあるので、気になったものがあったらぜひ受講してみてください。

・紙の教科書を授業に変換してくれる『BenchPrep

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BenchPrepは、教科書を教室での授業のような対話的コースに変換してくれ、それをスマートフォンやタブレット端末から受講ができるサービスです。本で学習をしていて挫折しやすい人にとって、教室に通うよりも安い値段で本の内容を教えてくれるため継続しやすく学びやすくなっているのが特徴です。対応しているコンテンツも数学などの学生向け科目だけでなく、司法試験、マイクロソフト認定テクノロジー スペシャリストなど多岐にわたっているので、どうしても独学ができない、でもスクーリングはできないという人にとって大きな味方になってくれるでしょう。すでに会員も20万を越えている勢いのあるサービスです。

・世界中の先生が作った動画授業から学べる『ShowMe

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ShowMeは世界中の人が投稿した動画授業から自分が学びたい内容を勉強できるサービスです。いわゆるUGM(User Generated Media=ユーザーがコンテンツを作るサービス)で、YouTubeよりも教育に特化しており、かつ長さが短めなのでお手軽に勉強することができます。iPhoneなどスマートフォンからも勉強できるので、いつでもどこでも勉強できるのが嬉しいところ。レッスンの数も150万を超えて急成長しているサービスなので、チェックしておきましょう。

・スマートフォンから家庭教師に教えてもらえる『Motuto

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Mututoは世界中の家庭教師を集めてiPhoneやiPad上で学習支援をしてくれるサービスです。自分の学びたい内容を教えている先生を探して接続すると、20分チャットでコミュニケーションができ、スカイプのビデオ通話の要領で、相手はホワイトボードなどを用いて授業をしてくれます。最初は無料で、2回目以降は1回5ドルで教えてもらうことができます。基本は独学で、でも分からない所は教えてもらう、という学習スタイルの人にとっては便利なサービスになるでしょう。

・教育コンテンツの共有サービス『TeachersPayTeachers

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教育関連のオリジナルコンテンツ、独自の指導プランを購入・販売ないしは共有することができます。海外でも日本でもそうですが、薄給で激務をこなす先生にとって自分が考えた教育コンテンツを共有することで周りの先生を助けることができます。こういう知識や経験の共有も教育の世界においてどんどん活発になってきていますね。

・学習をグループワークにできる『OpenStudy

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同じ科目を勉強している生徒同士でFacebookを使って生徒同士で対話でき、プロフィールやグループチャットを通じて協力的な学習ができるサービスです。学習コンテンツを持っているサイトではなく、学習者同士がコミュニケーションを取りつつ学習を継続しやすくするサービスになっています。参加してみると分かるのですが、なかなか活発にやりとりが発生しています。やはり勉強は1人だと続きにくいと思うのは世界共通なのかもしれませんね。

・既存の教材から学習コースを組み立てる『Course Hero

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YouTubeなどの上の良質な教育的ビデオをピックアップして、それらを基に、さまざまなコースを提供してくれるサービスです。オンライン上にある様々なコンテンツで学習できるので、色々と探してみると良いかもしれません。勉強をしやすくする工夫もあり、たとえばCourse Heroの起業家コースを終了した者は事業計画のコンテストに参加でき、その優勝者はCourse Heroの投資家であるRon Conway(SV Angel)にプランを売り込めるなどのイベントがりします。プログラミングなどの科目も充実しているので、お目当てのコンテンツを探してみてください。 

◆日本のサービス

・大学の無料過去問と一流カリスマ講師の授業の『受験サプリ

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受験サプリでは大学受験のカリスマ講師から動画授業を好きなだけ受けることができます。センター試験受験者の3人に1人が使っており、個性的な先生がわかりやすく勉強を教えてくれています。また、無料会員になると大学の過去問が無料で利用できるようになるのも受験者にとっては嬉しいんじゃないでしょうか。特に地方で予備校に通うことが大変であったり、経済的な理由で予備校に通えないという人にとってはとても便利なサービスだと思います。

・大学生が受験科目を教えてくれる『manavee

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日本全国の大学に合格した大学生が受験生に向けて作ったというサービスで、大学生が動画授業で勉強を教えてくれるサービスです。予備校の先生のようにプロの先生ではありませんが、受験者にとって少し先輩の大学生だからこそ学びやすく、無料なので日々のライトな勉強くらいであればカバーできるでしょう。大手企業との提携も精力的に行っているようなので、今後の動きにも注目したいです。個人的には授業を受ける時の教室をイメージしたデザインがお気に入りです。また、無料のオンライン動画を提供しているeBoardというサービスも同様のコンセプトで動画授業を提供しており、こちらもぜひ。

・スマホ家庭教師の『manabo

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mana.boはタブレット端末を用いて先生に質問することができるスマホ家庭教師サービスです。生徒と講師がやり取りした共有画面はデジタルデータとして保存、エクスポートもできるためノートのような感覚で勉強できるのがすごいですね。いつでも先生に質問できるというのはやはり勉強をする側にとっては大きな魅力なんじゃないでしょうか。

・モバイル学習のプラットフォームを目指す『Quipper

Quipper

DeNAの共同創業者が立ち上げたこのサービス、学習コンテンツはドリル形式になっていて、1つ5分程度の長さで気軽に学ぶことができるのが特徴です。英語版サービスに続き、今年春にはタイやベトナム、インドネシアといったアジア6カ国で中高生向けのサービスを本格的に開始し1万人以上の生徒が使っているという、いま最も勢いのあるサービスの1つです。また、QuipperがKDDIと提携したスマホで使える手のひらの自習室『GAKUMO』というサービスもリリースしており、今後どのようにサービスが拡大していくのか注目したいところです。

・学習の地図を作る『ShareWis

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ShareWisは短いレクチャーをつなぎ合わせて「知識の地図」を使るというコンセプトのサービスで、動画の授業→確認テストという流れで自分の学んだことを地図として可視化できるのが特徴です。コンテンツも英語・会計・プログラミングなどがあり、どんどん地図が出来上がっていくのを見るのもなかなか楽しいものです。まだコンテンツがやや少ない印象があるので、今後の拡充に期待です。

・ゲーミフィケーション学習『すらら

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e-ラーニングでは何かと話題にあがるすらら2012年度のE-learning大賞を受賞していて、小〜高校生向けに授業コンテンツを提供しています。月額受講料は8400円で塾としては安めの設定で、オンライン上でいつでも学習できます。生徒が飽きないように15分前後のスモールステップで、挿絵などを活用して飽きさせない工夫がされているのが特徴のようです。自立学習ができる仕組みというのは他のサービスにはあまり見られないコンセプトですね。

・アプリで学習できる『ドコモゼミ

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NTTドコモが提供するスマートフォンアプリを提供しているサービス、英語や簿記などの資格、また小中学生向けのコンテンツなどがあります。主にAndroid向けアプリがメインになっているようなので、Androidユーザーの方は無料版などを試してみると良いでしょう。

・DeNAの子供向け教育アプリ『アプリゼミ

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つい先日ソーシャルゲームのDeNAが教育事業に参入したことで話題になったアプリゼミ、エンターテインメントをあわせた“エデュテインメント”というコンセプトを元にしているそうです。コンテンツはNHKエデュケーショナルが監修しているそうで、今度は中学生や高校生向けコンテンツも提供していくそうです。ゲーミフィケーションのノウハウがある企業が教育業界でどういうサービスを出していくのか、注目したいところです。

・知育アプリを提供する『スマートエデュケーション

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小さい子供向け知育アプリを提供するスマートエデュケーション、子供向けなので利用時間を制限できたり、親子で一緒に楽しめるようなアプリが揃っています。累計ダウンロード数が500万を超えるなど勢いのあるサービスなので、今後の展開にも注目です。 また、知育アプリを提供しているサービスとしてはKinderpanなどもあります。

・ゲーミフィケーション学習の『えいぽんたん』

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えいぽんたんは、キャラクターを育てながら英語の学習ができるスマートフォンアプリです。累計問題回答数が1億問(※12/29修正 累計問題回答数6億問)、ダウンロード数が75万を突破するなどアプリでは最も伸びているサービスの1つでしょう。ソーシャルゲームのように問題を解くと体力を消費し、時間経過で回復するというつい継続してアプリをチェックしてしまう仕組みを教育に取り組んでいます。三日坊主で英語学習が終わってしまうという方はぜひお試しください。

・ビジネスパーソン向け授業を提供する『schoo

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schooはビジネスパーソン向けの教育コンテンツを提供しているサービスです。著名なビジネスパーソンやその道の第一人者の方などに講義をしてもらい、会員数はそれを見たりアーカイブされた動画を復習することができます。事業計画のコツから企画書の作り方、エクセルの操作法やPhotoshopのテクニックなどビジネス向けの幅広いコンテンツが月500円で見放題ですので、本を買ってもなかなか勉強ができないという方にとっては強い味方になってくれるでしょう。

・教育のウェブ辞典『EDUPEDIA

Edupedia

EDUPEDIA(エデュペディア)は学校教員の授業案・学習指導案・教材の共有サイトで、先生が作ったノウハウを辞書にしてアーカイブすることができます。教育版のWikipediaと言った感じで、科目指導や生活指導など先生が関わる業務のあらゆることが網羅されているので、忙しい先生や経験の浅い先生にとってとても参考になるサイトになってくれるでしょう。また、先生同士がアイデアやノウハウを投稿し共有できるサービスとしては『SENSIE NOTE』などもリリースされる予定のようですので、こちらもぜひ。

・勉強の記録を付けられる『StudyPlus

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StudyPlusは勉強をログとして残せるサービスで、 勉強を記録してグラフで可視化したり、タイムラインで共有したりと継続しやすさに特徴があるサービスです。会員数が20万人を突破するなど順調にユーザー数を獲得しているようです。受験勉強や英語、資格の勉強などをされている方は自分がどれくらいの勉強をしているのかをログとして残してみると、より楽しく勉強ができるようになるかもしれません。

・自分が学びたい分野の先生を探せる『Cyta.jp

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Cyta.jpは語学や楽器の対面個人レッスンのマーケットプレイスです。月額料金を払えば自分が勉強したい分野の先生からレッスンを受けられます。月1回からカフェなどでもレッスンを受けられるので、仕事などで忙しいけれど何か新しいことを始めたい、という人にとっては便利でしょう。先日クックパッドが10億円で買収したことでも話題になりましたが、今後どのようにサービス展開していくのか注目したいところです。 また、同様のコンセプトで『manebi』というサービスもあるので、こちらも併せてどうぞ。

・教える人と学ぶ人をつなぐ『StreetAcademy

Streetacademy_logoStreetAcademyは自分が得意な分野のことについて教えたいと思っている人が、それを学びたいと思っている人とのマッチングを提供しているサービスです。プログラミングやデザインからヨガなど、様々なコンテンツがあるので興味のあるものから受講してみると良いかもしれません。

以上、いかがだったでしょうか?この1年だけでもどれだけのサービスが資金調達やローンチのプレスリリースを出しているのか分からないくらい、2013年という1年は教育市場にとって大きな変化だったと言えます。

新しいサービスが生まれているのはもちろん、既存の教育のあり方も大きく見直される必要性が日増しに高まってきています。今後の教育業界全体がどのように変化していくのか、非常に楽しみですね!本ブログでも引き続き情報発信をしていこうと思います。

また、今回はアカデミックな内容が学べるサービスとプログラミング学習サービスは意図的に除いてあります。プログラミング学習についてはこちらの記事を、アカデミックな学習については年明けの更新をお待ちください。

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