オンライン学習が教育に与える影響と未来予測
最近は海外だけでなく、日本でもオンライン学習のサービスが段々と増えてきましたね。そこで今回はメジャーなサービスと今後のトレンド予測をふまえてオンライン学習についての情報をまとめてみました。
◆今後活発になっていくオンライン学習サービス
■デジタルネイティブの新しい学習スタイル
高校生に学習コンテンツを提供する受験サプリというサービスをご存知でしょうか。TVコマーシャルでもおなじみ、東進ハイスクールが講師を務める授業を月額980円で見放題というサービスで、大学受験生の3人に1人が利用しているそうです。これほど安価に、しかも大手予備校の授業が受けられるようになったのもオンライン学習の功績でしょう。
こちらはアプリもリリースされているので、タブレット端末やスマートフォンからでも講義を受講することができます。特に地方の受験生で、予備校に通うために電車で数時間…という高校生にとっては非常にありがたいサービスなのでしょう。生まれた時からスマートフォンやタブレットが身近にある、いわゆる"デジタルネイティブ"な世代の子供たちにとって、今後オンライン学習はますます身近なものになっていくことは間違いないです。
■オンライン学習は非デジタルネイティブにも浸透するのか?
習い事・趣味・通信教育がオンラインで受けられるPocketClassというサービスが先日リリースされました。手相やボールペン字講座など、いままで紙媒体を経由して申し込んでいたような講座がオンラインで受講できるというものです。セプテーニさんというweb広告のイメージが強い企業がオンライン学習サービスをリリースしたこともあり、やはりオンライン学習に目をつけている企業は大手・ベンチャー企業問わず多いのでしょう。
こちらもローンチしたばかりのサービスなので今後どのようにユーザーを獲得していくのか楽しみです。おそらくメインターゲットとなるユーザーは子供や主婦層だと思われますが、インターネットを活用して学習するという行為がはたしてどれほど受け入れられるものなのか、個人的にとても注目しています。
◆オンライン学習がもたらすもの
先述したサービスからオンライン学習の特徴として下記3点が挙げられます。
①低コスト化
→学習にかける経済的負担が少なくなっている
②物理的制約を受けない
→ネット環境があればいつでも・どこからでも受講可能
③自分の学習レベルに合わせた受講が可能
→自分にとって必要な講義を選択して受講可能
オンライン学習によって"教育の民主化"が進んでいます。オンライン学習では大学受験のために何万円もかけて予備校に通う必要がなくなります。新しいことを学ぶのに、わざわざ足を運ぶ必要がなくなります。さらに既存の"教室型授業"では不可能だった、個人ごとに適切なレベル・内容での受講が可能になります。
今後も活発になっていくであろうオンライン学習も、まだまだ余白が大きくポテンシャルを秘めた市場です。そんな中、個人的にオンライン学習化が進むであろう領域をざっとまとめてみました。
・生涯学習系
→いわゆる"習い事"
・資格系
→会計士資格など
・語学系
→英語を始めとした外国語
・芸術系
→音楽・美術など
・ビジネススキル系
→MBA、マーケティングなど
・IT系
→プログラミング、webデザインなど
海外サービスで言えば日本よりもずっとオンライン学習サービスの数は多いですが、それでもまだまだ一般的になっているとは言いがたい状況です。今後どのようにオンライン学習が市民権を得ていくのか非常に楽しみなところです。
◆オンライン学習が目指すべきはリアルとの融合
オンライン学習が発達するにつれ、よく言われるのが『オンライン学習だけじゃ学習は成り立たない。こんなデメリットがあるじゃないか!』という議論です。
しかし、そもそもオンライン学習はリアルでの学びを代替するものではありません。オンライン学習は物理的制約によって学習の機会を得られない人にとって教育の民主化を促進し、そしてリアルでの学びの場を持っている人にとっては更により良い学習を促進するものなのです。
どちらかだけあれば良い、というものではなく、そもそも性質が違うものでそれぞれメリット・デメリットがあるので、上手に共存させることができるはずです。今回は具体的な方法論については言及しませんが、二者択一ということではなく、視点を高く持ち教育というものがオンライン上でどのように融合するのかをこのブログでも追求していきたいと思っています。