バリエーションのジレンマ
ニンテンドードリームで「酒缶が訪う」という連載をやっているのですが、6月21日発売号では『ひゅ~ストン』や『タケヤリマン』を発売したポイソフトの石川泰さんにインタビューを行っているので、ぜひぜひ確認してみてください。
で、ニンテンドードリームの表紙は『ポケットモンスターブラック2・ホワイト2』ですね。6月23日にニンテンドーDS向けのタイトル『ポケットモンスターブラック2・ホワイト2』が発売されました。ポケモンシリーズというと、最初に2バリエーションが発売されて、後にパワーアップしたもう1バリエーションが発売されるのが定番でしたけど、今回は「2」という形のため、どのような感じに世の中に浸透していくか、結構気になっています。ボクはというと、『ポケットモンスターホワイト』のプレイが途中の状態で、買ってもすぐに世界に入り込めなさそうなので、今回は様子見という状態ですが......。
同じゲームでもバリエーションの違うモノを複数用意するという手法は『ポケットモンスター』シリーズが有名ですが、『ポケットモンスター』の成功後、色々なメーカーが同じ手法でタイトルを出しています。大体の場合、基本的なゲーム内容は同じでモンスターの発生確率や出現するモンスターの種類を変えるのが定番になっています。
初代『ポケットモンスター』の場合、『ポケットモンスター赤』と『ポケットモンスター緑』が同時発売、後にコロコロコミックなどの通販を経て一般販売されたのが『ポケットモンスター青』ですが、先にも書いたとおり、『ポケットモンスター青』はグラフィックが変更されたパワーアップで......いやまて、パワーアップ版と言えば『ポケットモンスターピカチュウ』もあるので、『ポケットモンスター青』はどちらかというとパワーアップ版というよりは初代『ポケットモンスター』のバリエーション違いと見ておいた方がいいかもしれませんね。
その後、『メダロット』シリーズ、『サンリオタイムネット』『真・女神転生デビルチルドレン』などが登場し、
RPG以外でも『ときめきメモリアルポケット』『リアルプロ野球』などがバリエーション違いを発売してますけど、3つ目のバリエーションまでたどり着いたタイトルってあんまりないですね。
3バリエーションで有名なのは、『遊戯王デュエルモンスターズ4 最強決闘者戦記』で、「海馬デッキ」「城之内デッキ」「遊戯デッキ」の3バリエーションが同時発売。当時のトレーディングカードゲームの隆盛、特に遊戯王が流行っていたことの証明ですかね。
『クロスハンター』も「エックスハンターバージョン」「トレジャーハンターバージョン」「モンスターハンターバージョン」の3バージョンが発売されていますけど、こっちはどうして3バリエーションを同時展開できたのかよくわかりません。
『ロボットポンコッツ』は3バリエーションありますけど、「太陽バージョン」と「星バージョン」が同時発売で「月バージョン」がパワーアップ版という内容になっています。
ゲームのバリエーション違いは、据置機よりも携帯ゲーム機向けのタイトルが多くて、最近だと昨年発売された『イナズマイレブンGO』が最新かな? 3バリエーションというのは最近はなかなか出てきていませんね。
ゲームから離れて、音楽CDの場合......というか、先日購入した「さくら学院」のCDアルバムですが......こちらは限定版として「さくら学院」のCDアルバムにも「さ盤」「く盤」「ら盤」の3バリエーションがあります。この3バリエーションは、メインのCDについては、デザインは違っても収録されている内容は変わりませんが、付属のDVDの映像が全然違います。
例えば、「さくら学院 2010年度 ~message~」のDVDでは、「さ盤」は「めちゃ×2イケてるッ!」のバカ決定テストテイストな期末テストをメインにした「サプライズ!期末テストは突然に。」、「く盤」はメンバーが二つに分かれてお絵かきクイズやジェスチャークイズで戦うゲームをメインにした「くみ対抗!戦いはお手柔らかに。」、「ら盤」は転入生がやってくることをお題にした大喜利をメインにした「ラブ&ピース!出会いの季節はすぐそこに。」といった感じで、テーマの違う映像を収録しながら、PVやその他ミニコーナーも変えるという凝った内容。
「さくら学院 2011年度 ~FRIENDS~」では、「さ盤」が期末テストをメインにした「さぁ!今年もやってきた学年末テスト。」、「く盤」はミニドラマをメインにした「クライマックスは予測不可能!?」、「ら盤」は収録曲「ピクトグラム」のミュージッククリップを自分たちで作る「ライトOK!カメラOK!3.2.1...アクション!」という、前年からバリエーションを変化させつつ、その他のコーナーではメンバーを3分割してそれぞれのDVDでトークコーナーと心理テストを行っていて、よりメンバーのキャラクター性を見出す内容になっています。
このような内容になっていると、全部見たければ全部買わざるを得ません。でも、映像コンテンツって、全部見るにしてもそんなに時間が掛からないんですよね。
ゲームの場合、バリエーション違いは、ゲームコレクター的には全て手に入れておきたいのですが、ゲームを遊ぶ立場で「手に入れたゲームは全部クリアしたい」という心理を持っていると、精神的にずっしりと重くのしかかってくるものでもあります。実際、初代『ポケットモンスター』をプレイしていた時は、基本プレイを『ポケットモンスター赤』で行い、『赤』で出てこないモンスターだけ『ポケットモンスター緑』で集めるという遊び方をしていたので、『ポケットモンスター赤』はコンプ出来たけど『ポケットモンスター緑』はコンプできませんでしたね。いや、その後のその手のゲームでコンプ出来たためしはないですけど......。何十時間もプレイするゲームを2倍遊べるか、というときついのです。
ゲームクリエイターの皆さん、ゲームのバリエーション違いを出す時は、それぞれ別々にゲームを楽しめるだけの内容にしていただけると、ゲームコレクター的には助かりますので、よろしくお願いします。(いや、大変なことも、そういう遊び方を想定していないことも重々承知しているのですが......)
ちなみに、「さくら学院」のCDを棚に収めたら、何か違和感が......。
「さけかんの ゲームコレクターレベルが あがりました!」