借りて住みたい街1位が本厚木の真相を中山さんに聞いた
コロナ禍で住宅探しの候補になるエリアが大変動しています。そういう中、住宅情報サイトLIFULL HOME'Sの賃貸情報ページのWeb閲覧数(ページビュー)による人気ランキングが発表され、1位本厚木という驚きのデータがでてきました。
本厚木が1位というのは、非常に意外性があり、テレビなどでも大きく取り上げられたようです。Twitterでも「海老名でなくなぜ本厚木?」という声を聞きました。分譲マンションなどで情報を集めている人々では海老名の人気アップが注目されていて本厚木はノーマークに近かったからです。
郊外が人気にというのは、いろいろな記事で実感していまいたが、せっかくなら漁港の近くとかで美味しい魚が食べられる街
東京情報堂 中川寛子氏の取材記事 https://t.co/yBJBBVKM3c からも首都圏近郊の範疇が人気ですね。LIFULL HOME'S 総研のデータで裏付けになったと思います。逗子駅前の魚屋 https://t.co/ueftykB587 とかいう投稿を見て海沿いをつい検索するも行動までには至らずかなと。
-- SKMT/坂本英樹 (@sakamotoh) September 3, 2020
とかいう、声が目立ったので、工業地域の小田急線の終点の街本厚木???という疑問が多かったように感じます。
逆に池袋の順位が下がったのは納得がいきました。飲食店などに勤務していて終電を気にせずに働き・遊べる街、池袋から板橋や練馬に引っ越そうという話は聞いていたからです。LIFULL HOME'S総研の中山さんからはこんなコメントをいただきました。
都心近郊&駅近物件は生活と交通の利便性最優先での選択ですが、ご指摘の通り遅くまで飲んでいても&仕事していても案外楽しく暮らせるという都会ならではの魅力がありました。また収入が今後減りそうな&実際に減っている人も多く、郊外に住み替えざるを得ないというケースも増えると思われます。 https://t.co/OV6GWYbo4n
-- Toshiaki Nakayama (@Yukkon0125) September 9, 2020
そんななか、なぜ本厚木が1位かという答えは、実はランキング表データからは明白であり、指摘いただいてなぜ気づけなかったのかと驚きました。
本厚木だからという積極的な理由というのは実は薄くて、これまでも4位くらいにランキングされている賃貸物件の比較的多いエリアであること以外では、都心から離れた郊外であること、都心にダイレクトアクセス可能であることなどがあげられます https://t.co/ToTZIUUBKx
-- Toshiaki Nakayama (@Yukkon0125) September 9, 2020
元々人気ランキング4位と人気の街だったのが、郊外化というトレンドの中で3つ順位を上げて、横ばいの葛西や、堅実に上げた大宮、急落した川崎を上回ったというのが実情のようです。本厚木は2020年2月データで4位でしたが前の調査から7位上げての4位であり、急上昇のあとの再上昇でついに1位という経過でした。
Web閲覧数ベースの住みたい街ランキングでは、バス便も含めて人を集める街が強い
これは、2017年に書いた、買って住みたい街ランキング1位船橋、2位目黒ということに関するブログを書いた時点で分かっていた話しでもあります。Web閲覧数ベースのランキングであり、供給物件数が大きい街がアクセスも集めるわけです。
2007年にWebアクセス数ベースに基準を変えたことで、バス便を集める、物件数が多い、船橋、目黒、浦和、町田、大宮、横浜、本厚木、八王子 などが上位に入ると伺っていました。そういう、駅の勢力圏が広い 本厚木は元々人気の街だったわけです。
今回のランキング上位で、池袋の他に順位を落とした街は八王子でした。八王子は、大学生が多い街であり、大学の対面授業がなかなか始まらず、キャンパスライフの危機という状況が影響したとこが考えられます。
逆に、便利な、複数路線が使える街は鉄道が発達した分、バス便に恵まれずこういうランキングに入りにくいケースが考えられます。土地勘がある街でいうと、田園都市線の終点で小田急線と接続する、中央林間がそういうバス便が少ない街にあたります。町田駅も小田急と横浜線が使えて便利なのですが、鉄道が十字クロスする関係で近隣の駅に利用者が分散するということでこういうランキングでは上位に入りにくくなるわけです。
住みたい街から、堅実な街への転換?
それにしても、「住みたい街」というあこがれで検索する状況が、新型コロナで、ニューノーマルと変わる中で、堅実な暮らしやすい街、家賃が安い街への転換が起こったのではないかということも考えられます。
順位を落としたのは、池袋(-4)、八王子(-2)、三軒茶屋(-5)、川崎(-9)、荻窪(-8)、吉祥寺(-12)、中野(-10)、北千住(-14)など繁華街を抱える街が目立ちます。便利で夜の賑わいがある住みたい街から、堅実な街へ住み替える動きが今回のランキング大変動に影響したのかもしれません。
逆に順位を大幅に上げたのは、千葉(+10)、西川口(+14)、高円寺(+6)、町田(+12)、船橋(+8)、川口、(+13)、津田沼(+14)、立川(+23)などと多岐にわたります。郊外の拠点都市が、千葉、町田、船橋、川口、津田沼、立川であり、新興中華街の西川口は注目度からなんとなくわかります。一方高円寺の人気化は近隣の中野と荻窪の不人気と比べて非常に不思議です。
ともあれ、住みたい街から堅実な街へ住み替えようという流れが一過性んものなのか、それとも当分続く新しいトレンドなのかに注目です。