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すい臓がんの権威の名を使い週刊朝日が広告募集という件

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「週刊朝日、社団法人を騙り全国の病院施設に多額の広告料を要求」というクチコミニュースが広がっています。広がりはこのツイートからで

元になったのは、一般社団法人日本肝胆膵外科学会のサイトに、「緊急のお知らせ (週刊朝日からの特別広告企画の案内について)」という注意喚起PDFで、以下のように主張されています。

本日、週刊朝日が 2013 年 2 月発売予定の「手術数でわかるいい病院 2013 全国」
に掲載する広告企画の案内を、【取材協力:日本肝胆膵外科学会 理事長 宮崎
勝】と表し、多くの病院施設に広告掲載を持ちかけ、広告料として 100 万円以
上のお金を要求していることが判明いたしました。

本学会および宮崎個人は、週刊朝日の同企画に対し、一切の関わり
を持っておりません。その旨ご承知いただき、ご注意くださいます
ようお願い申し上げます。

なお、本学会として、このような広告掲載企画を無断で各施設に案内している
週刊朝日に対し、抗議文の送付ともに説明を求める予定です。事情が明らかに
なり次第、本学会会員の皆様に報告申し上げます。
今後とも本学会へのご支援・ご協力をお願い申し上げます。 

「手術数でわかるいい病院 2013 全国」というのは、ムック本であり、雑誌にちかくてグラビアカラーの広告が、背表紙や、2ページ目などに載っている媒体のようです。広告の説明「週刊朝日MOOK 『手術数でわかるいい病院2013』 広告掲載のご案内」PDFには4C1P(フルカラー1ページ)で100万円という広告メニューが掲載されています。
このPDFで一番注目されるのは以下の記述、

※なお、医療機関の広告に関しましては
広告会社メディコムアイの買い切りとなっております。

という点です。医療関係の広告は法令の絡みもあって書いていいこといけないことなど難しく専門性が要求されます。そのためもあって、朝日新聞出版ではなくその先の代理店が買い切っているようです。
病院を選ぶ本で広告を取るのはどうよ、という意見もあるでしょうが、電話帳に広告が載るように、広告でより高い表現力で魅力を必要な人に伝えられるという価値もあるでしょう。いずれにしろ、不利益を患者側が受けないように規制する法令があり、それに準拠されていると考えられます。

事実と考えられそうなことを整理すると以下の3点です。

  1. 社団法人は法人名と代表名(すい臓がんでは高名な方)を無断で使われたと主張している
  2. 病院施設に対して広告掲載の持ちかけがでている
  3. 朝日新聞出版も広告のメニューを公開しており、100万円という商品もある
  4. 医療機関の広告については、代理店が販売しており、朝日新聞出版は直接は医療機関に対して関係していない可能性が高い。(少なくとも公式には否定)

一方分からないことも多々あります。

  1. 広告掲載の案内のされかたが不明
    大きく書かれていて、強く推薦しているように取れるのか、それとも媒体資料の協力者欄に列記された一つなのかは不明
  2. 広告料100万円を積めば「手術数でわかるいい病院」という本に掲載できるというサービスをうたっているかは不明
    普通に考えたら広告の案内なのですが、詐欺が行われている可能性も考えられます。何もしなくても載る媒体に、お金を払えば載せられる、口利きできると案内して詐欺行為を働くとか考えられなくはありません。
  3. 広告案内の主体は不明
    買い切った代理店の先に、また代理店がある可能性もあります。上に書いたように、広告掲載を騙った詐欺の可能性もあります。

当事者情報が出ているからといって、事実の全貌が分かるわけではないという、ソーシャル時代の注意点:

「これが事実であれば」とか注意書きをつけても、断片的な情報を予断をもって広めるとデマの広がりに荷担する危険性が増します。苦情を受けて怒り心頭の当事者からの情報は事実のみを書いていたとしても誤ったニュアンスを読み手が受け取り誤解をする可能性があります。「カネでいい病院という記事に載せられるのか?」というような反応が多数なのはその現れでしょう。

当事者からの情報発信が容易になるのはいいのですが、他の当事者からの反論や事実関係の確認など無い中で顛末を推定して論じるのは避けるべきことです。従来はマスコミが整理しててから知っていたことがソーシャル時代でそのマスコミの編集・確認プロセス抜きで知ることも増えています。その良さも理解しつつ、マスコミだけに頼っていたのとはまた違うリテラシーが求められているそう強く感じました。

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