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「怪盗ロワイヤル」成功のノウハウと今後の戦略は? - DeNA大塚氏インタビュー後編 【ループス岡村健】

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この記事は,「突撃インタビューの健」ことループス岡村健右(けんすけ)の投稿記事です。昨日好評をいただいた前編に続き,「怪盗ロワイヤル」産みの親,DeNA大塚さんへのインタビュー(後編)をお届けします。(前編記事は こちら

大塚 剛司氏 プロフィール
2005 年に東京大学を卒業後、事業家を目指してDeNAに新卒入社。当初は営業企画として活躍するが、ビジネスとシステムの両方を理解してサービスを提供できる ようになることを目指し、エンジニアに転向。同社の最初のソーシャルゲームである「怪盗ロワイヤル」の企画・開発を全て担当した。現在はプラットフォーム 統括部長として活躍中。 

 
Otsuka

■ 継続率が大事です

---重要視している指標(KPI)は何ですか?

私たちが重要視しているのは継続率で、1日後、2日後、登録日からカウントして2週間後にアクセスしたかどうかという数字です。初期の脱落者、とりあえずやってみて止めてしまうユーザーの中でもわからなくてやめてしまうユーザーを脱落させるのはもったいないので、どの段階でやめてしまっているのか(離脱率)をチェックし、チューニングを進めています。ゲーム全体のKPIは継続率、課金率、課金単価が重要な数値ですが、ゲーム個別に追っていく数字もあります。
 
怪盗ロワイヤルであればバトルをちゃんとしているか、ボス戦が難しすぎないか、逆に簡単すぎないかというところは勝率を見たりもしますし、後はお宝の流通数。流通数が多すぎると簡単になりすぎ、つまらなくなっていないか、イベントには参加しているかという個々の点を見て離脱率を下げ、最終的には継続率をよくするようにしています。


■ 運用体制について

---運用体制について教えてください?

問合せが1次的に急増した場合には担当者に連絡されるようになっています。問合せが急増した場合はなにか問題が発生している可能性があるので、これをチェックすることでトラブルの芽を積むこともできます。今までのモバゲーの問い合わせ対応内(新潟センター)でチームソーシャルゲーム担当、怪盗ロワイヤル担当を置いています。運用後はゲームがヒットすると人員が必要になります。初期開発は一人で作っても機能追加人員、イベントを企画・準備する要員、CS要員(問合せ対応、監視)、バグ対応要員が必要になります。
 
 
■ サービスを完全にクローズする選択肢について

---サービスを終了させる目安はありますか?

サービスとして終了するか、積極的に関与しないかという2種類があるかとは思いますが、サービスを完全にクローズとする選択肢はあまりないと思っています。やはり継続率が一番大事だと思っています。例えば継続率が2週間後に10%を切っている状態だと、ユーザーが少ない状態で課金となり、売上が積み上がらない構造になってしまいます。そうなると少ないユーザーで争うことになり、ユーザーも疲弊してしまいます。初期の段階で継続率が悪ければ、ゲームを抜本的に改造するか、クローズするかのどちらかと考えています。抜本的な改造でも継続率が上がらなければ即終了という判断になります。
 
 
■ 継続率、課金率、課金単価の目安について

---継続率や課金に関する目安を教えていただけますか?

トータルでの売上よりも、売上を構成する継続率、課金率、課金単価を重視しています。課金率、課金単価はある程度上げていけますが、継続率はゲームの本質のところが出る部分なので、継続率が低い場合にはクローズしてしまったほうが賢明です。もちろん継続率が低くても課金率が高ければよいというもありますし、逆に継続率が高くても課金率が低ければ続けることが難しいということもありますが、基本的には先日公表させていただいた数字(以下に表示)で収まるのかなと思っています。

(参考)100万人登録時に月間コイン売上1億円を売り上げるための目安

 ■ 継続率 (登録X日後におけるDAU/登録者数)
   ・ユーザ登録後 7日後 30~40%
   ・ユーザ登録後 14日後 25~35%
   ・ユーザ登録後 30日後 20~30%

 ■ 課金率 (MAUに対する有料ユーザー比率)
   ・5~10%

 ■ 課金単価
   ・1,500~3,000円/月

【モバゲーオープンプラットフォーム2010発表資料より】

 
■ Facebook版BanditNation(怪盗ロワイヤル)を8月末で終了する理由

---Facebook版BanditNationを8月末で終了する理由を教えてください。

テストマーケティングの意味合いもありましたが、ビジネスとしてやっていたのでドカンといけば別の判断もありましたが、今回は会社としてどこのリソースに当てていくという点で、Facebook版BanditNationのような単体のアプリではなく、複数のアプリを共通のコミュニティ上で使用できるiPhoneのMiniNationでプラットフォーマーとして、スマートフォンをがっちり取っていくという方向になっています。このような背景を元にしていますが、サービスとして継続率も目標よりも
いまいちだったということもあります。
 
 
■ iPhone版BanditNationについて

---iPhone版BanditNationの状況を教えてください。

まだ会員は数百万人レベルまではいっていません。4アプリでのMiniNation上でソーシャルグラフを取れるようにしています。MiniNationに参加してもらい、そこからまた別のゲームにと、今の国内モバゲーでできているいい流れを持っていきたいと思っています。

MiniNationとはDeNAがiPhoneで提供している「Bandit Nation」「Mini Solitaire」「MiniBalloonHunt」「MiniNumberPlace」の4アプリをソーシャルゲーミングプラットフォームであるOpenFeint上での共通コミュニケーションの場(iPhone上でのモバゲーみたいなものです)。
詳しくはTechCrunchの記事を参照ください。

 
■ iPhone版BanditNationを日本版を提供していない理由

---iPhone版BanditNationは日本国内では使えませんが、なぜでしょう?

どうやってソーシャルグラフを構築していくかを考えていましたが、まずiPhoneの市場規模の一番大きい英語圏をターゲットにするためです。英語、日本語がごちゃまぜにならないように、まず英語でコミュニケーションをしてもらっていくことを考えました。国内モバゲーユーザーのソーシャルグラフを大切にしたいと思っているので、現在の携帯からスマートフォンにもソーシャルグラフを引き継げるようになればいいと思っています。
 
 
■ Android上でもMiniNationを提供予定

---AndroidでMiniNationを提供される予定はありますか?

開始時期はまだお答えできませんが、MiniNationをAndroid上でも提供する予定です。iPhone MiniNationのソーシャルグラフ、コミュニティを共通にし、クロスプラットフォームにしていければと思っています。


■ 戦国ロワイヤルをリリースした経緯

---戦国ロワイヤルを開発した経緯を教えてください。

怪盗ロワイヤルの世界観を変えてサービス提供するとどうなるかを見てみたかったということと、アバター連動できるゲームを提供してみたかったことがあります。実際に戦国ロワイヤルではモバゲーのアバターがそのままゲーム中(ボス対戦時)に出てくることができます。この部分は他のSAPさん参考になるかと思っています。既に9アプリほど、アバター連動したSAPさんのアプリも提供されています。SAPさんゲーム内でのモバゲーアバターを利用する道筋は作られたかなあと思います。
 
 
■ いきなりランキング2位になっていましたが

---戦国ロワイヤルがいきなりランキング2位ですが、クロスプロモーションはされましたか?

クロスプロモーションはそれほど実施していませんが、どこまでクロスプロモーションすればいいのか難しいところもあります。怪盗ロワイヤルから流れたユーザーがそのまま別のゲームに行ってしまい怪盗ロワイヤルでは遊んでもらえなくなるという危険性もありますし、全く違うゲーム性、例えばバトル系→ほのぼの系への誘導は意味のないケースも多いと思います。
 
 
■ 今後の展開について

---今後の展開について教えてください。

今成功しているのは国内かつフィーチャーフォンですが、「Yahoo!モバゲー」が10/1にオープンし、日本でもPCのソーシャルゲームが盛り上がるんだということを世界に向けて証明したいと思っています。SAPさんにも無理を言って準備してもらっていますが、みなさんと一緒に成功させたいなと思っています。

あと今後台頭してくるスマートフォン(iPhone、Android)はユーザーの感覚がタッチパネルになることにより今までと違ったものになる可能性があり、今までのゲームをそのまま出せば成功するというものでもないと思っています。スマートフォンを皮切りに世界に進出していきたいですが、DeNAだけではもちろん難しいので、他のSAPさんとともに知恵を絞りあってやっていきたいと思います。ソーシャルゲームはこうすればいいんだということが提示でき、世界をリードできる存在になるのが理想です。
 
 
■ あとがき (by 突撃インタビューの健)

Ken_2 大塚さん。お忙しいところインタビューにご協力ありがとうございました。
仕事で何度かお打ち合わせにはご一緒させていただきましたが、今回は個人的にお話を聞かせていただきました。
日本のソーシャルアプリ開発の第一人者ですが、いつもすごく気さくな感じの方です。
次は是非、初台のお寿司屋さんでお願いします(笑)
 
 
【参考記事】
モバゲー好業績を牽引する「怪盗ロワイヤル」の舞台裏 - DeNA大塚氏インタビュー前編 【ループス岡村健】 (8/5) 

 
 

【国内外SNS関連】
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最新の筆者著書です。 『Twitterマーケティング 消費者との絆が深まるつぶやきのルール』

 

Comment(2)

コメント

戦国ロワイヤルでは、アバターが使えるところがいいなと感じました。
無料でこれだけのコンテンツを提供できるところも、もちろんすごいと思います☆

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