LADY GAGAに学ぶソーシャルメディア活用の最前線
米国では音楽アーティストのソーシャルメディア活用が非常にさかんだ。そもそもMySpaceが音楽ファンを母体として最大のSNSとなった経緯もあり,音楽系に特化したSNSも多く存在している。
中でもスーパーアーティストLADY GAGAのソーシャルメディア活用は非常に卓越しており,企業やブランドにも大変に参考になると思うので紹介したい。
まず最初に彼女のオフィシャル・サイト ladygaga.com を見てみよう。
いきなり最新ヒット曲 "Bad Romance" のプロモーションビデオが目に飛び込む。その下には直接感想を書けるTwitterボックスがあり,ファンが秒刻みでTweetしているのがわかる。
続くメインページには "GAGA EVERYWHERE" として,多様なソーシャルメディアのコネクト先が掲示している。
では注目すべき点をいくつかピックアップしてみよう。
まずFacebook。なんと430万人のフォロワーを持ち,全世界でもトップ10ユーザーに入っている。コミュニティでは彼女もファンも積極的に発言しており交流が活発だ。特徴的なのは2つのアプリが2つ用意されている点だ。
ひとつはギフトショップ。今流行のバーチャルギフトが販売されている。デザインによって異なるが,ひとつ100-200円程度でメッセージをそえて友人にプレゼントできる。
もうひとつは11月23日に発売される "The Fame Monster" のアルバムジャケットをモチーフとして類似デザインを自動生成する "Fame Monster"だ。とても単純なアプリで,自分の写真などに "I'm a Fame Monster 2009/11/23" とアルバムと同じタイポグラフィでかぶせるだけなのだが,これを友人とシェアすることで続々アルバムの宣伝がクチコミされていく仕掛けだ。
一方,MySpaceは音楽ファン向けに,ほぼオフィシャルサイトと同等の本格的なサイトに仕上がっている。
続いてTwitterだが,こちらもフォロワー160万人は全世界で42位のユーザーになっている。特にフォロワー増加の勢いは驚異的だ。Twitter Counterのグラフを見るとなんと1日1万人以上のペースでフォロワーを獲得しており,これは現時点で世界最速かも知れない。
またYouTubeチャンネル(公式LADY GAGAページ)も非常に充実しており,登録者16万人,コメント3万件以上と最大級の規模になっている。
さらに面白いのがiTunesの使い方だ。iTunesアイコンをクリックすると,iTunesサイトが立ち上げるとともにPCのiTunesが起動される。そこでは音楽やビデオ販売にとどまらず,LADY GAGA関連のアプリが3つ用意されている。特に注目は "Lady Gaga - Walmart Soundcheck Concert (Live)" だ。
彼女の大ヒット曲が5曲,Live版ミュージックビデオとして入っており,しかも無料ダウンロードできる!その理由は広告で,PRESENTED BY AXE としてAXE Hiarの広告画像や短いCM動画が入っている他,彼女自身のアルバムをワンクリックで購入できるバナーも挿入されているのだ。
その他,すべてを紹介できないが,音楽系ソーシャルメディアであるimeem, iLike, LastFM,写真系サイトであるBuzznet,
音楽ダウンロードサイトAmazonMP3など,それぞれのサイトの特徴を生かした充実した内容になっているのでぜひチェックしてほしい。
LADY GAGAはバイ・セクシャルであることを告白し,ゲイのコミュニティからの絶大な支援をうけている。それらが彼女をスーパースターに押し上げたという経緯もあり,ファンとの交流に積極的なのかも知れない。
いずれにせよ,LADY GAGAは米国でも最も強力なブランドの一つで,かつ実にすばらしくソーシャルメディアを活用している。彼女のソーシャル・ブランディングともいうべき完成度の高いプランディング術に企業は大いに学ぶべきだろう。
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