アソシエイト(仲間)をつくるということ
1月26日に20代〜30代が30名ほど集まり、『「未来思考で、多様な人が集まる学習と創造の場」検討会』を有志と企画し、開催しました。
告知はFacebookを中心に、1月18日から実施したので、正直30名も集まるとは思っていませんでした。その時の告知文とイメージ図がこちらです。
『これからの社会を創り出す20代後半〜30代半ばを中心に、複雑に絡み合った問題を解決するという趣旨にて、TEDを意識した未来思考で、多様な人が集まる学習と創造の場を作りたいと考えています。その場を具体的にどのようなものにしていくか、ど のように育て上げていくか、という点について、実際にこの場に参加し、運営、参加者、サポーターなど、何らかの形で関与することに興味のある方々を集めて、具体的な企画会議を実施したいと考えています。(多様な人とは、社会起業家、社内起業家、起業家、公務員、クリエイター、外国人などを想定し、異業種にまたがり、継続的に集まるコミュニティを考えています。)』
集まってくれたメンバーも、キャリア官僚、グローバル企業のマーケッターやPM、NPOやベンチャーの代表、フリーランス、銀行などなど異業種の方々が、とてもポジティブでオープンに話し合う、これからが楽しみな場となりました。
以下、当日のスライドです。
■C世代とソーシャル・イントレプレナー
日本経済新聞とWEBで、正月からC世代に関する連載が紹介されていました。正月にこの記事を読んだ時に、「あぁ、これは時代の流れだな」と思い、自戒を込めてC世代へ向けたブログを書きました。1月26日のイベントは、そんなC世代の人たちと一緒に場創りについて考えたいと思って開催した検討会でもあります。
失われた20年と言われ、社会人になってITバブルの崩壊やリーマンショックを経験する一方で、社会起業家と言われる人たちが注目されつつあります。社会起業家だけでなく、大企業、官僚も既存のシステムや社内のルール、レールに乗っかる働き方ではなく、社会をより良くしたいという想いを持って公私ともに様々な取り組みをしている人たちがいます。僕もその一人のつもりでいますが、必ずしも起業や社長、その組織のシステムで一番になることが全てではないと思ってます。一歩業種や違う職種に行くと、そこには違う景色があり、全く新しい学びと社内では普通と思っている自分の知識やスキルが活かされる場所があります。
そんな社会のために社内を巻き込んで社外の人たちと事業を起こす人を、ソーシャル・イントレプレナーと呼び、そんな人たちも集う場を創り、ソーシャル・イントレプレナーという働き方が広げたいと思ってます。一般的にイントレプレナーは、社内起業家と呼ばれる新規事業を起こす事業責任者やプロデューサーのような人。ソーシャル・アントレプレナーは、社会起業家と呼ばれる事業性のある社会的(または公共的)なサービスを起業する人。ソーシャル・イントレプレナーは、起業まではしないけれど、プロボノや空いてる時間のボランティアではなく、自分の会社の強みや組織力を活かして社会的(または公共的)な事業を立ち上げる人たちのことを指しています。
■イン・フォメーションからエクス・フォメーションへ
神田昌典氏の書籍「2022―これから10年、活躍できる人の条件」で、エクス・フォメーションについて紹介されていました。
情報をインプットすることから、自分の内から外へ、facebook・twitter・youtube・ustream、そしてブログや書籍出版などで自分の意見や考えを情報発信をする。また実際にリアルの場で講演やワークショップに参加して発信し、対話していくことが大切な時代を迎えています。また発信することで、発信者に情報や仲間が価値を付けて返ってくるというインタラクティブな環境が整っています。知識を蓄積すること大切ですが、それだけではなく知識創造をしていく。そんなエクス・フォメーションは、成長にもつながるという。
ノウハウ本に頼ることや、受け身のセミナーに参加するだけでなく、自ら情報発信し、さらにそれをプロジェクトとして行動に移すことの方が大切です。情報を発信し、つながるための環境は今、インターネット・スマートフォン・ソーシャルメディアの普及によって、非常に恵まれています。
■価値観を共有できるアソシエイト(仲間)をつくる
その上で行動するために必要なことは、異業種交流会やイベントに参加することよりも、価値観を共有できる仲間・アソシエイトをつくることです。最近、ソーシャルメディアの普及とともに、同級生や友達とつながりやすくなっただけでなく、同じ価値観や同じ目標を目指している人たちがつながりやすくなっていると感じます。アソシエイトとは、give & takeやwin=winの関係ではなく、近隣住人や職場が同じというコミュニティでもありません。give & giveの関係で、そこには安心して活動するための相互信頼があり、多様性の認識と承認によって、束縛から解き放ち自律性を高めるような仲間です。
僕自身、数年前にISLというリーダーシップ育成をしているNPOで、アソシエイト・プログラム(AP)という社会イノベーションを担うリーダー人材育成のプログラムに、約30名と半年間参加していました。その中には、HASUNAの白木夏子さん、育て上げネットの工藤啓さん、自然電力株式会社の磯野謙さん、ユナイテッドピープルの関根健次さん、プロジェクト結の長尾彰さん、GIFTの斉藤潤一さんなど今、社会起業家として活躍している人たちがいます。企業の中で活躍している人たちも含めて、ISL APで出会った人たちとは、卒業後も僕たちの関係性が強くつながっており、社会イノベーションを軸に集ったまさにアソシエイトです。
今世の中が変わりつつある現実から目を逸らさず、常識や既存のシステムという大多数の人たちと同じであることに安心するのではなく、自分の内から外へ情報をエクス・フォメーションし、アソシエイトをつくり、行動に移して行く。そのために閉じられたコミュニティに縛られるのではなく、飛び出すのも良いですが、ソーシャル・イントレプレナーという働き方もあると思います。
アソシエイトをつくるには、継続的に同じ目標や同じ価値観を持つ人たちと継続的に会うこと。学んだり、体験したり、対話すること。プロジェクトを一緒に経験することなどが必要です。そういう場を作るのもいいし、そういう場を探して参加するのも良い。コワーキングスペースに入ることや、シェアハウスで生活することも、アソシエイトを作る手段のひとつかもしれません。アソシエイトを持つことで、視野が広がり、刺激を与え合い、ポジティブでオープンになれると思います。アソシエイトをつくること、お薦めします。
■参考書籍